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「キー(調)は何のためにあるのか」 in KVR
http:
//www.kvraudio.com/という面白いサイトがある。基本的にはPCベースの音楽制作に関するフォーラムなのだが時々、音楽理論に関する議
論が始まったりする。KVRでの面白い議論の1つに「キー(調)は何のためにあるのか」というものがあった。自分がCなりFなりで自由に演奏できるのに何
故、EbやAbなどで演奏する練習をしなければいけないのかというあたりからスレッドが始まっていったように記憶する。実は私も別の意味でキーに疑問を
持っていた。例えばクラシック畑の人はキーそのものに色があると言う。一番明るいキーはGでCは中立、一番暗いのがAbだったかな、正確に思い出せないが
キーそのものに明るさや暗さがあると彼らは言う。
このKVRのスレッドの中で誰かが模範解答と思える書き込みをしていた。URLを書くほどのものでも無いので記憶で引用すると
「ロッ
クをはじめ今のポップスはボーカル主体の音楽だ。従ってボーカリストが一番歌いやすいキーが正しいキーだ。一方で人間が聴き取ることのできる音域は限られ
ており、その肉体的制約から気持ちよく聞ける音域もまた限定されてくる。もしボーカリストがどんなキーでも歌えるならリスナーの耳に一番気持ちよく響く
キーを選ぶべきだ。ただクラシックを中心に楽器の性格や編成からキーが決まる音楽もある。何故かというとある種の楽器あるいは演奏表現は非常に狭い音域で
しかキレイに鳴らないからだ」 誰が書いたのか知らないが個人的にはほぼ100%正しいように思える。つまり曲がインストで、演奏する楽器がキーを選ばないタイプであれば全てCやFで押し通しても構わないことになる。同時にクラシックで何故オリジナル・キーが重視されるのか、その理由も見えてくる。
もうひとつKVRから面白い議論を紹介しよう。これは大きな音を聞いた後におきる耳鳴りに関するスレッドだった。実際、音楽の現場では自分が聴く音量を選べないことが多く必然的に難聴がおきる。このスレッドで一番印象に残った書き込みを紹介すると
「も
しキミが通常の音域から外れた非常に高いあるいは低い音を聞いた後ずっと耳鳴りが続くなら、その耳鳴りを愛情を持って楽しんだほうが良い。何故ならそうし
た耳鳴りは「異常な音」に耐えきれない耳の細胞が死んでいく中で引き起こされているからだ。そして耳鳴りが終わったらキミはもう二度とその音域を聴くこと
ができなくなるだろう」
というものだった。これが本当に正しいかどうか私は知らないがポップスの歴史で音量を出し音圧を上げ音域を広げる流れがずっと続いてきたのは事実だろう。そして自分の聴覚を犠牲にしてまで音楽を聴く理由は何もない。
KVR
のフォーラムには欧米のセミプロ、スタジオや録音関係者、音楽ソフト開発者(主にVSTプラグイン)などが参加しており随所に優れた意見が見られるが日本
ではほとんど紹介されてない。残念な話だ。ちなみに私が現在、音楽制作で使用している音楽ソフトSamplitudeの開発者Sachaもよく書き込みを
している。Samplitudeに関して疑問があればKVRでSachaに聴けば直接、答えてくれる。何故、日本にはそうした場が無いのだろうか?
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