音楽的シーラカンス

これを書いてるのは2009年1月2日。今年の紅白に波乱はなかったようだが・・・・

2007 年1月1日、グーグル・ニュースにアクセスした私はDJ OZMAによる第57回NHK紅白歌合戦のパフォーマンスで日本全国が騒然となっている事に気がついた。記事を読んだ私は「えっ、DJ OZMAがそんな ハレンチな事を」と呟いたが、その自分の言葉が虚ろに響き何ら実感をともなっていないことに気がついた。何故だろう、じっくり考えてみると、彼の音楽とか パフォーマンス以前に私はDJ OZMAという人が何をする人なのか知らなかった。さらに記憶を探るとDJ OZMAという名前すらその記事で始めてみた のだった。

私はコンゴ音楽ファンだから別に日本のポップスを知らなくても良い。だが、これだけ日本中で話題になってるのだから一度、見て みようと考えYouTubeにアクセスし幾つかのビデオを見た。彼の歌とパフォーマンスにどういう感想を持ったかについては紙面の都合で割愛させていただ くとして、私は知らない間に自分が音楽的シーラカンスと化したことに初めて気がついた。Jポップを全く聴かないということは無く好きな音楽家もいるだけに ショックは大きかった。

しかし、それだけだろうか?私はさらに深く記憶の底を探っていった。そして実は最近のNHK紅白歌合戦がどういう 構成の番組なのかも知らないことに気がついた。私が最後に見た紅白では南春夫大先生が金、銀、プラチナ、コバルト、チタン、モリブデン、イットリウムなど をちりばめたド派手な和服で歌い踊られていたように思う。どうもそれは20年近い昔の話のようだ。DJ OZMAどころか紅白歌合戦すら私の記憶の中では 忘れさられていた。さらに良く考えたら私はTVを持っていなかった。ラジオは持っているのだが。

私は平均的日本人よりはるかに音楽を聴いている。そして私はマイナーな音楽のファンであることに開き直っていたが、まさか紅白歌合戦に出るほど人気のある歌手の名前すら知らないほど世間とずれているとは思わなかった。それだけの事なんだが・・・・・・・

タンガ、タンガ、ゼケテ、ゼケテ、私は力なく呟いたのだった。