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ワールド音楽としての日本音楽
先
日、KVR(www.kvraudio.com)という音楽サイトを見ていたら和太鼓の良いサンプル・ライブラリーを推薦してくれというスレが立ってい
た。このスレを読んで少し考えてしまった。南米とそれほど関係が深い訳ではない日本にサルサ・ファンがいてサンバ・チームが練習をしフォルクローレを演奏
する人たちがいるようにアメリカでも和太鼓アンサンブルを演奏する集団がある。日系人サークルから始まりスタンフォード大学、そして全米の大学クラブ活動
として和太鼓アンサンブルは広がりそれなりの認知をされているようだ。ということは和太鼓というのは実はワールド音楽なのだろうか?驚いた事にwikiを
読むと和太鼓アンサンブルを最初に始めたのはジャズ・ドラマーだという。
http://en.wikipedia.org/wiki/Taiko
こ
れを読むと1951年にジャズ・ドラマー、小口大八(オグチ・ダイハチ)という人が現在のスタイルの太鼓アンサンブルをはじめたとある。私も子供の頃、祭
りの山車の上で太鼓を叩き町内を回ったことがあるが自分がジャズの影響を受けた音楽を「演奏」しているなどとは夢にも思わなかった。それは私の感性がすで
にポップスに影響されていたからかも知れない。そして大阪に住んでいた時、河内音頭を聴き踊りを見る、それだけの目的で各地の盆踊りスケジュールをチェッ
クし聴いて回ったことを思い出す。今思えばコンゴ音楽ファンとして河内音頭に何らかのアフリカ的要素を感じていたからだと思う。
昔から私は日本の民謡と言われるものの一部が非常に「西洋的」なのに疑問を持っていた。例えば島根県民謡、貝殻節だ。この曲のメロディーは本来の日本的メロディーからかけ離れており、歌詞はあまりに典型的労働歌すぎると思っていた。
少
し調べてみたら、島根県民謡貝殻節は浜中節として日本全国に広まったようだ。この浜中節のメロディーを採譜したかたはクラシック畑のかたであり元々の素朴
な民謡を「ポップス」にする過程で何らかの西洋音楽のフィルターがかかったように思える。そして作詞をされたかたは歌詞フレーズの多数がすでに民謡として
広く共有されていたにもかかかわらず自分のオリジナル作詞と主張され、現実にジャスラック管理曲になっている。
小唄のようにきちんと保存
されている日本の伝統音楽は別にして、我々が日本の民謡と考えているものはすでに西洋音楽、場合によってはジャズのフィルターを通したものではないだろう
か?そうであっても何ら問題は無いが、元々の日本の伝統音楽では無いことは知っておくべきだろう。
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