摩訶不思議な米国債(2009.06.12)

本当はコンゴ音楽の新譜について書きたいのだが誰も興味を持ってくれない、それどころかサイトにおいてある私の手作りmp3に関しても全く反響がない。仕方ないので個人的にはあまり好きでない時事ネタを・・・・

【ローマ=南島信也】イタリア財務警察は、総額1340億ドル(約13兆円)相当の米国債をイタリアからスイスに持ち出そうとした日本人2人の身柄を拘束し、検察当局に身柄を送致したと発表した。在ミラノ総領事館が日本人かどうかを含め確認を急いでいる。

13兆円の米国債である、豆腐が13丁とは訳が違うのだ。この話に関して色々なソースを調べて見た。まず写真を見つけたのでご自分の眼で確認いただきたい。

http://www.adnkronos.com/IGN/News/Cronaca/?id=3.0.3396869573

ご 覧のようにむき出しの証書である。こうしたむき出しの、販売した証券会社の付属書類が無い債権を英語ではBearer Bondというらしい。ベアラー債権は1982年にアメリカでは禁止されている。何故かというと、犯罪に悪用されやすいからだ。イタリアで没収された大昔 の米国債の額面は巨額であり、現在FRBはそうした国債を販売していない。これもまた犯罪防止のためである。そして現在、ベアラー債権はほとんど流通して いない。当たり前だ、販売会社の取引書類が無い危なっかしい債権を買う者などいないからだ。

そして13兆円という額を考える時、このベア ラー債権はどこかの国/中央銀行により放出されたか偽造かのどちらかである。ちなみにこの米国債の額面が現在のFRBの基準にあわないのは確かだが、昔は FRBがそうした巨大額面の米国債を発行していたのは事実だから額面から偽造とは断定できない。だが日本の外貨準備ですら100兆円程度である。それも為 替介入で膨れあがった結果としての水増しを含んでだ。その日本の外貨準備の10%以上である。どうも偽造くさい。

ところで何故、イタリア からスイスに運び込まれようとしたか?私が考えるに、スイスの金持ちボケ老人(失礼!)に売りつける目的だったのではないだろうか?すでに書いたようにベ アラー債権をまともな投資家は相手にしないからだ。同時にイタリアに偽造債権製造所があるようだ。

そして今日の時点で、このイタリアでの 事件を報道しているアメリカ・メディアは1つもないという。幾つかの疑問が残る。この二人の「日本人」は本当に日本国籍を持っているのか?偽造パスポート なら、数日で確認できるはずで、何故日本政府ミラノ領事館は沈黙を守っているのか?少なくともパスポートが本物かどうかくらいはすぐに確認できるはずだ。

さ らに昔、発行された米国債としても当然ながら発行番号が振られてる訳で、一日もあれば本物かどうか確認できるはずなのに真偽は発表されてない。さらにアメ リカ・メディアは何故、沈黙を守っているのか?ひょっとすると、この13兆円の米国債が本物であり、誰かが本当に「処分」しようとした、それが米国債市場 にもたらす悪影響が理由なのだろうか?