川村カオリさんの死に思うこと

「えっ、 あの川村さんがそんな事に」、そう呟いた自分の声が虚ろに響き・・・・ もう、このパターンに飽きたので止めるが、今回もまた死ぬまで川村カオリ(享年 38歳)なるロック歌手が存在することすら知らなかった。例により動画サイトに行き、代表曲を何曲か聴いたのだが、聴いてるうちに大きな疑問が湧いてき た。ロックはいつから、こんな癒し系の静的な、透明感ある音楽になったのだろうかと。

私は基本的にロックは嫌いなのだが、少なくとも私が 昔、聴いていた頃のロックはそれなりに熱かった。オレ達には言いたいことがあるんだという意気込みと勢いがあった。その部分に関しては大いに共感できた。 実は70年代後期以降のコンゴ音楽もそうした若者の音楽だった。それ以前は若者が音楽をやろうにも楽器そのものが入手不可能だったのが、少しずつコンゴに も入ってきてザイコ以降の第3世代、第4世代音楽へとつながった。実際にそうした音楽をルンバ・ロックと呼ぶ人もいた。

川村カオリさんの 音楽が今の日本のロックであるなら、今のロックにはそうした混沌とした情熱は失われてしまったように思える。そして自分の意見を言うなら、それはただの劣 化でしかないように思える。昔、ドアーズという有名なアメリカン・ロックのバンド・ボーカリスト、ジム・モリソンはステージの最中に、ジーンズのチャック を下ろし、客席に向かい射精したという。そうした行為が良いか悪いかは別にして昔のロック・ミュージシャンは色んな熱いものを捲き散らかしながら演奏して いたのは事実だ。それを考えるときコンゴ音楽が勢いを失いただのダンス音楽に成り下がったようにロックもまた川村カオリさんのレベルまでパワーを失ったの なら残念と言わざるをえない。

だが問題なのは日本には優れたバンドもまたたくさんあることだ。例えば平泉コージ/couchがそうだ。平泉さんは亡くなられた川村カオリさんと同じ歳だが演奏は実に楽しい。私のお気に入りは下のセッッション・ライブだ。

http://www.youtube.com/watch?v=Enx8F42DMt8&feature=PlayList&p=
CC9A3B841028F8A0&playnext=1&playnext_from=PL&index=4

couchi とマルサンズという2つのグループ・セッションである。ロックと言うよりR&B/ファンク系の音だが、みんな非常にステージ慣れしており最初から 終わりまで遊びの精神が満ちている。今の日本において、こうしたリズムを細かく刻むタイプの音楽が人気が無いのは十分わかっているが、平泉さんのような ミュージシャンが十分に評価されない今の日本にはやはり相当な閉塞感があるように思える。

余談になるが平泉さんのブログを読んでいたら、東京都議選で鳩山のポスターが気に入らなかったから民主に入れなかったとハッキリ書かれているのが興味深かった。

(なお、ここに書いたことは全て私の個人的好みに基づく意見であり、音楽は全て好き嫌いである以上、川村カオリさんの音楽に関する私の意見は要約すれば「私の好みでない」、それだけであることをお断りしておく)