NHKが使う不思議な日本語

数ヶ 月前、元厚生官僚連続殺傷事件の速報をNHKラジオで聞いていた私はアナウンサーの言い回しに違和感を持った。それは「警察は何者かの犯行と見て捜査を進 めている」というものだった。何者かの犯行?これは一体、何を意味するのだろうか?犬や猫、宇宙人の犯行ではないと言いたいのだろうか?私の人生経験が乏 しいせいか、犬や猫、宇宙人が殺傷事件をおこしたという話を聞いたことが無いのだが、NHK本部のある渋谷周辺では犬や猫や宇宙人(兄ポッポ?)がヌン チャクやブラックジャックを振り回し人を襲うという凶悪事件が多発しているのだろうか?昔、私が東京に住んでた頃はそういう光景を見たことがないのだが。

冗 談を抜きにすれば「何者かの犯行」という表現は何ら意味を持ってない訳で、それは「何者かの犯行」を抜いて「警察は捜査を進めている」で十分に意味が伝わ ることで明らかだ。NHK職員には日本語に不自由な方が多いのだろうか?バールのようなものの使用に長けたアジア系のかたを中心に採用したとか(笑)。

NHK の使用する日本語が硬直化していることは相撲中継を聞けばわかる。ある日の相撲中継では二人のアナウンサーがやりとりをしていたのだが一人が「**関も今 年、29歳になりました」というと、もう一人が「そうすると来年はいよいよ30ですね」と答えた。スポーツ中継にはこの手の意味があるのか無いのかわから ない表現が多いが、今年29歳なら来年はよほどの天変地異がないかぎり30歳ではないだろうか? さすがに自分たちの会話の馬鹿らしさに気付いたのか約2 秒ほど不気味な沈黙があった。NHKアナウンサーにも少しは自然な日本語へのこだわりが残っているようだ。

スポーツ中継には特に意味不明 な表現が多い。例えば、高校野球の中継での監督インタビューではやたらと全員野球を強調する。それは教育的配慮で理解できないこともないのだが相撲での 「自分の相撲」をとることへのこだわりは理解不可能な部分がある。ある日の中継では「A関は負けましたが自分の相撲をとりました。勝負は負けましたが相撲 内容では勝ったと言ってもいいんじゃないんですか」という元横綱の解説にNHKアナウンサーは共感の相づちをうった。しかし、それなら最初から勝ち負けを つけなければ良いのではないだろうか?一体、何のために白星だの黒星だの言っているのだろうか?

私はずっとこの「自分の相撲」がNHK相 撲中継で頻繁に使用されることに疑問を持っていたのだが、最近ある仮説を思いついた。それは「自分の相撲」と1回言う事に相撲協会から力士にキックバック があると言うものだ。力士の大部分は苦しい生活を送っている。リッチなのは一握りだ。つまり角界は格差社会である。そこで力士の生活向上のため強酸NHK と相撲協会が組んで「自分の相撲」と1回言うたびに力士の口座に5千円振り込まれる仕組みができたのではないだろうか?そう考えると何故、相撲取りはイン タビューであれほど「自分の相撲」を繰り返すのか理解できるではないか!そこで以下のような会話を想定してみた。

「大関、今日の取り組みはいかがでしたか?」(NHKアナウンサー)

「自分の相撲を取れたので満足です」(**関)

「いよいよ綱が見えてきましたが、ご感想は?」(NHKアナウンサー)

「精一杯、自分の相撲を取るだけです」(**関)

「ファンの大きな歓声がありましたが」(NHKアナウンサー)

「自分の相撲を応援してくださり感謝しています」(**関)

「ところで来月、結婚されると聞きましたが」(NHKアナウンサー)

「力のかぎり自分の相撲をとるだけです」(**関)

「新婚旅行はハワイと聞きましたが、ハワイでの予定は?」(NHKアナウンサー)

「どこであれ自分の相撲を取りたいと思います」(**関)

「すでに都内にマンションを購入されたとか」(NHKアナウンサー)

「自分の相撲をとれる場所ができたかなと思います」(**関)

「最後にファンの皆さんにメッセージを」(NHKアナウンサー)

「最後まで自分の相撲を取りたいと思います」(**関)

この会話には6回、「自分の相撲」が出てくる。これに対し相撲協会とNHKから5千円×6=3万円の報酬が口座に振り込まれるとしたら相撲取りは本当に良い商売だと思うのだが・・・・