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晩夏の悪夢
キン
シャサに行くにはパリ経由とナイロビ経由の2つのルートがある。私が利用したのはナイロビ・ルートだった。ナイロビからキンシャサへはエチオピア航空を利
用したが、ここは週に一便しか運行しておらず私は数日ナイロビに滞在するはめになった。仕方ないので街中にあるレコード店を見て歩いた。ナイロビで最も人
気のある音楽はコンゴ音楽であり、それなりに充実していたからだ。あるお店でLP盤を漁っていると、小さな男の子が近寄って話しかけてきた。
「オジサンは日本人かい?」 うるさいガキだなと思いながら私は「そうだ」と答えると少年は「ボクはもうすぐアメリカに移るんだ」と答えた。 「それで?」 「アメリカに行く途中、日本にもよるからオジサンの家に泊まらせてくれ」とガキは言う。 「アメリカになにしにいくんだ?」と私が適当に答えると少年は 「家族みんなで移住するんだ。そしてボクはアメリカ大統領になるんだ」 面白いことを言うガキだなと思った私は 「キ
ミ、名前は何というの?」と聞いた。少年は「バラック・オバマ・・・」と答えた。バラック・オバマ、どこかで聞いた名前だな、私は思い出そうとしているう
ちに・・・・・ 目が覚めた。あまりに残暑がきついので昼寝をしたのだが、どうも昔の体験と現実がゴチャ混ぜになった悪い夢をみたようだ。
T
シャツが汗でぐっしょり濡れていたのでシャワーを浴びた私は、ついでに服を着替えた。ちょっと外出しようと思ったからだ。玄関を開けたとたん、誰かが私の
腕をつかみ手錠をはめた。「何をするんですか!」私が抗議をすると男達は「****、国家反逆罪で逮捕する」と言い放った。
「何を言って
るんですか、日本に国家反逆罪なんて法律はありませんよ」と私が反論すると、数人の不審な男達は「狸穴内閣の下、昨日、秘密国会で可決され即日実施され
た」と言う。狸穴内閣?そんなもの、何時できたんだと私は不審に思い聞き返した。すると男達は「安佐目、五味瓜、閉経(アニサキス)の世論調査で眠々狸党
が国会過半数を取ることが確定した。”我々”はすでに次の与党の意向を受けて動いている」と答えた。そ、そんな馬鹿な、私は唖然として言葉を失った。その
内に彼の部下達が私の部屋から押収した物を持って出てきた。
男はコンゴを代表する音楽グループ、ザイコ・ランガ・ランガのLPを20枚ほど差し出した。 「オ
マエはこれを聞いて良い気分になってるだろう」と言う。それはその通りなので肯定すると男たちははザイコのLPに脳内麻薬のスタンプを押していった。別の
物件も出された。それは明治エッセル・スーパーカップ・チョコクッキー(定価120円、但し40%引き購入消費税込み)だった。男はこれは「アイスだ
な?」と念を押した。それは酒を飲み過ぎて食欲が無い時に朝ご飯がわりに食べているアイスクリームだった。「ええ、アイスですが」と私が答えると男は「覚
醒剤所持現行犯だ」とにらみつけた。「な、何を言ってるんですか、そっちのアイスはメタンフェタミンという薬物でしょ?」私が答えると、「アイスと認める
んだな」と男達は言い「これで全ての証拠は揃った」とうそぶいた。「アナタ達は一体、何なんですか?警察ですか?」と私が問うと彼らは私の口にいきなり
ガム・テープをはって・・・・・
今日(2009.08.22)の時点では、上に書いたことは妄想にすぎない。だが未来はわからない。そうした不安と緊張をはらんだ晩夏の一日、皆さんはいかがお過ごしでしょうかw
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