押し紙はいかに始まったか?

今回のエッセーは若干、「危険」な部分があるために最初に断っておく。

1.これは朝日新聞社社員時代の体験をベースに自分が個人的推測を行ったものである
2.従って、ここでの主張が妥当かどうか一切、保証しない。信じるも自由、信じないも自由である
3.私は自分の推測が正しいとは言っていない。ただ個人的にありうる解釈だとは思っている。

本題に入ろう。マイニュース・ジャパンからもう1つ引用する。

黒薮氏が読売に知財高裁でも勝訴 喜田村弁護士を懲戒請求へ

Tinyreportsimg_j20090923211700  ジャーナリスト・黒薮哲哉氏と読売・江崎徹志法務室長との間で争われていた著作権裁判で16日、高裁判決が下り、黒薮氏が完全勝訴した。江崎氏と代理人 の喜田村洋一弁護士にとっては手痛い判決内容だ。問題となった催告書の作成者を偽って裁判を起こしていたことが地裁のみならず知財高裁でも認定され、新聞 人・弁護士としての良心や倫理を問われることになる。黒薮氏は今後、喜田村弁護士に対する懲戒請求を含め、責任追及する構えを見せている。その黒薮氏が高 裁判決を総括する。(記事末尾にて訴状と高裁判決をPDFダウンロード可)(09/24 2009) 
 
現在の 押し紙比率では朝日のほうが読売より高いという意見が2chにある。これは私には判断できない。何故なら、販売の仕事をした事がない上に、現状どうなって るかのインサイダー情報が全く入ってこないからだ。ただ私が朝日で働いていた頃は押し紙≒読売だった。これに関して私は1つの事件を想い出す。それ はある年配者のふとした嘆きだった。「部数は朝日の方が上だったんだ。ずっと、そうだった。ところが新聞購読料金改定の時、朝日は事前協定どおり値上げし たが読売は裏切って据え置いた。そしてものすごい販売攻勢をかけた。その時に部数を抜かれたんだよ」というものだった。

まず朝日サイドを 批判しよう。そういった形で何時から新聞購読料金をどれだけ上げるか足並みをそろえることは談合ではないのか?読売が談合を守らなかったのは既得権益ベー スの新聞業界的には問題かも知れないが、じゃあ朝日が80年代後半から延々と展開したアンチ土木談合キャンペーンは一体、何なのだ?朝日はこの土木談合 キャンペーンで新聞協会賞を受けたと私は記憶しているが、談合が本当に社会にとり良くないと社会部記者が考えているなら、自分たちがやっている新聞業界の 談合を記事にしろ!こうした思いが自然に湧くのだ。実際、この土木談合キャンペーンの時、私は日本土木工業協会(略称、土工協)中部支部を担当していた。 当時の名古屋での幹事は熊谷組だったが、行く度に「記事で叩くようなところはこなくていい」と言われた。いい迷惑である。

で、読売サイド の批判に変わるのだが、私はずっと読売新聞は保守系新聞ではなく、朝日を抜くことを目的にしたマキャベリズム新聞という印象を持っていた。上で書いた読売 が業界の約束(=談合)を破る騙し討ちで日本での部数No.1になったという朝日社内での噂がまずある。この時に拡販材料や押し紙を読売が駆使し、朝日の 部数を一挙に抜いた。つまり押し紙を「武器」として使用したのは読売が最初だったと私は記憶する。

さらに読売は本当に保守なのか、疑問に 思うことがある。何故なら朝日と同質の自虐史観が頻繁に読売紙面に現れるからだ。読売は朝日と記事での差別化を図り部数を伸ばす、そのためだけに保守路線 を採用しただけであり、本質的な部分では朝日と同じ極左ではないかと私はずっと考えていた。例えばJR西日本尼崎事故の際の、読売記者の傲慢きわまりない 態度などに極左・プロ市民体質を見ることができる。つまり読売新聞/渡辺恒夫の保守路線というのは、商売上の建前である。そうでなければ、過去1年、朝日 などと歩調を合わせて麻生自民党の揚げ足取りをやり、太鼓持ち・茶坊主・温泉芸者なみの民主党持ち上げをやったことが説明できない。

私が個人的に経験した範囲で言えば、押し紙や拡販材料などを多用するスタイルを確立し推し進めたのは読売新聞である。それは最初にあげたマイニュース・ジャパンでの読売新聞の企業として極めて不誠実な訴訟姿勢にも現れていると私は考える。

毎 日新聞からは佐々木俊尚を始め、幾人か元インサイダーが内部事情の告発をしている。朝日新聞に関しては本郷美則(元私の上司)がやっている。私もネット上 で行っている。日経に関してはマイニュース・ジャパン編集長(元日経記者)がいる。NHKに関しては池田信夫氏が行われている。つまり主要メディアに関す る限り、使命感から告発を行っている人達がいる。ここで使命感と書いたのは、元インサイダーとして告発しても金銭的にも名誉面でも何らプラスにならないか らだ。

だが、そうした告発者がいないメディアもある。典型的には東京・関西の主要TVキー局である。ここから告発者が出ないのは

1.給与があまりによい
2.仕事があまりに楽
3.採用する段階で「人的コネ」が重視されている
4.採用された後も閨閥による人的封鎖が行われる

からだと推測する。だが何故、読売から内部告発者が出ないのか?これは大きな疑問だ。いや、それを言い出すと電通を始め不審な企業はまだあるのだが。

朝日に極左記者が多いのは事実だが、私が知る限り宗教・カルト・諜報組織とのつながりはなかったと思う。天然であれなのだ。だが読売や電通は何らかの「思惑」があり、その関連で告発者がいつまでたっても現れないのではないかと私は勘ぐるのだった。