全ての新聞はフリーペーパーになるだろう

【佐々木俊尚】お先真っ暗!大新聞の未来[桜H21/10/14]
http://www.youtube.com/watch?v=cbhWfNZlMUY
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前 のエッセーでも名前を出した元毎日新聞記者佐々木俊尚氏のTV出演を見た。正直、言って相当に違和感が残った。何故なら、新聞が生き残れるかどうかは、新 聞が広告媒体としての価値を保つことができるかどうかにかかっており、その他の部分は些末だからだ。そして、その広告の分析が甘い。

まず 地方支局や通信部がお荷物になってきている、これは1990年頃からそうだった。その頃から、通常の記者と異なる痴呆、いや地方記者なるものが採用されて きた。地方記者とは何かというと、給料も安いし出世の見込みもないけど新聞記者としていばりたい連中を別枠で採用することである。具体的には毎日新聞のパ ンティー友田が典型的な例だ。

引用

毎日新聞熊本支局次長を逮捕、隣室の女性宅から下着盗んだ疑い

熊本 県警熊本南署などは24日、熊本市の毎日新聞熊本支局次長友田道郎容疑者(43)を住居侵入と窃盗容疑で逮捕した。発表によると、友田容疑者は24日午前 3時ごろ、自宅マンションの隣に住む女性会社員(24)方にベランダから侵入し、室内の洗濯かごの中にあった下着数枚(1300円相当)を盗んだ疑い。容 疑を認めているという。

引用終わり

この人は毎日の支局次長になる前は朝日の地方記者をしていた。パンティーを盗んだ ことに、どういう動機があるのか知らないが、地方記者というのは知的刺激もなければ給料も安い(それでも地元民間企業よりははるかに高い)、八丈島島流し である。それに我慢できなくなった友田道郎氏はあえて毎日の支局に移った。何故なら熊本支局なら一応「記者」だからだ。あんまり書いて名誉毀損になるのも 不味いので止めるが地方記者というのはこの程度の存在である。

ここで重要なのは支局切り捨ては90年代には既に始まっていたという事実 だ。広告的には支局が切り捨てられても痛くも痒くもなかった。何故なら広告売り上げは東京・大阪といった都市部での情勢により決まるからだ。だが、この支 局切り捨て=地方版縮小にしぶとく反対していたのが販売局で、地元ニュースが無くなると読者が痴呆、いや地方紙に流れると彼らは主張した。これはそうかも 知れないが、編集も広告も地方から手をひきたい以上、販売は押し切られた。

実はここで広告と販売の確執があった。それはオリコミ広告の増 加だ。オリコミ広告に広告局は一切、関与していない。純粋に販売局の領域である。ところがオリコミ広告会社が従来は地方版の広告主をオリコミに誘導した。 その結果、地方版広告はがら空きになった。なら、地方版広告は販売が埋めろというのが広告サイドの考えだった。一方で、オリコミ広告という宝の山を発見し た販売は、新聞販売店強化に利用した。実際、この頃の新聞販売店は相当に儲かる商売だったようだ。

という訳で佐々木さんが指摘されるように、地方支局が切られても広告としてはもはやどうでも良い世界であり、編集の連中も嫌なドサ回りをしなくてすむという「魔法の解決策」なのだ。販売の連中は少しは困るかもしれないが。

番組でアマゾンのキンドルという電子リーダーでのアマゾンのマージンが65%と言われていたが、それを言うなら毎日新聞でのD2の実質マージンは・・・・・(以下、削除されました)。

後、 専門記者を育成せよというのも過去30年くらい言われてきたことで、それが実現しないのは実現しない理由があるのだ。それは何かというと新聞社の役職シス テムである。例えば、数人の記者を特定分野の専門家にしたてあげる、それは可能だ。だが、その分野が廃れた場合、数人の廃人が生まれる。新聞社の役職シス テムでは入社して何年経つと課長職(ここらは複雑であり、編集であろうと給与ベースでの係長相当職、課長相当職というものはある)になる。下手すると廃人 が課長になる。つまり専門記者を育成できない組織としての理由がちゃんとあるのだ。

では新聞は消えるのだろうか?私はフリーペーパーとし て生き残ると思う。例えば、毎日新聞が倒産した場合、その販売店網だけをYahoo!か楽天が引き継ぐ。発行する新聞は8枚程度。夕刊無し。この時、販売 店主は新聞におりこむオリコミ広告のマージンを収入として生活する。実際、新聞読者の相当数はオリコミとTV欄があればそれで満足なのだ。広告は Yahoo!か楽天の広告をそのまま回せば良い。経費削減のため独自取材など一切しない。全て通信社などの記事のコラージュである。もし詳しい情報を知り たければYahoo!か楽天サイトに会員アクセスして読むように勧める。同時に、新聞に載せている広告に関してもYahoo!か楽天経由で注文や問い合わ せをした場合、加算ポイントがつくようにする。1ヶ月の購読料金は千円程度に設定。これなら確実に生き残れる。

佐々木さんが言われるように、医療や介護専門紙を出してペイする訳がないのだ。そうした試みは過去に何回も試され、ことごとく失敗した。つまり私が見るところ、新聞の未来はネットに誘導することを目的としたポータル・サイトによるフリー・ペーパーである。