日本のバブル破裂、カリフォルニアの破産
(2009.11.07)

私 が勤務していた頃の朝日新聞名古屋本社ビルの地下1階にはジャズ喫茶があった。そんな優雅なと怒ってはいけない。当時はバブル最盛期であり、主に広告の連 中がこのジャズ喫茶を打ち合わせの場所に使っていた。広告関係者が主に利用するくらいだから、かかる音楽も軽めのジャズかフュージョンが多かった。ここら の雰囲気は昔のホイチョイの一連のマンガがうまく描写している。実際、広告でもホイチョイの作品は話題になり「この人たちは業界がわかっている」とみんな 感心し回し読みされたのだ。

ある日の12時、お昼時、広告の連中が何人かいる時に阿川泰子さんのスキンド・レレがかかった。この曲はクラ ブ音楽シーンでは名曲と評価されているが一般にはほとんど知られてない不思議な曲だ。そうすると私と同じテーブルにいたIさんが「ほう、バックの連中が本 当のサンバ・リズムを叩いている」と言った。私も同じ感想を持った。このIさんはパンデイロと呼ばれるブラジル打楽器の名手なのだが、私もブラジル音楽は 好きなのでよく職場での仕事の合間にウィルソン・ダス・ネビスのドラミングがどうたらとか話をした。それだけでも十分、変わった職場だった。この頃の広告 次長Sさんはナイロン・ギターの名人でビラ・ロボスとかブラジル系の曲も演奏した。で、この二人は残業時間に良く別の地下室にこもってはサンバ・セッショ ンをやっていた。I氏が打楽器を叩き、S氏がナイロン・ギターを弾いた。この二人は遠慮せずに大きな音を出して演奏するためにエレベーターを通して音が上 のフロアまでもれた。広告は変人だらけと他の部署から批判された。バブル期というのはこんな感じだった。

話は変わって、1週間ほど前に YouTubeにアクセスしたら推薦曲として阿川泰子さんのLAナイトを提示された。この曲は確かイギリスのチャートのベスト10に入った昔の名曲なのだ が、私は今はその手の音楽を聴かないので何故YouTubeがこの曲を推薦するのか不審に思いながら聞いてみた。

InsideLosAngeles

 Los Angeles has the smog, the crime, the unemployment, the bad educational system, the poverty, the traffic, and the gangs. But this city has its indescribable charm that has so many people falling in love. Perhaps this city shows many the true meanings of a hard life and struggle that helps unite its residents into a common fight for living in reality.

こ のInsideLosAngelesという人のコメントを読んでいる内に、もしオバマ大統領が何もしなければ年内にもカリフォルニア州が破産する可能性が あることを想い出した。私はどうせオバマが何か救済策を出すだろうと考えてカリフォルニアの破産をそれほど深刻に考えていなかったのだが、現実に住んでる 人には大変な問題なのだろう。日本のバブルが破裂しようという時に聞いたのが何故か阿川泰子でカリフォルニア州が破産しようという時に、YouTubeが 勧める曲がまた阿川泰子というのも不思議な偶然だ。この間に20年の歳月が過ぎたのだが・・・・

何かGS様にお考えがあるようで来週のオ プションSQ通過まで暴落はおあずけになっているようだ。アメリカ失業率が25年ぶりに10%をこえたと言うのに(笑)。プットをしこたま買ってあるから 問題ないのだが、何か世界中が落ちていく感じが不安をあおる。世界が本当に破局に向かっているかも知れない、そしてそれは杞憂ではなく本当に破局が近いの かも知れない、それはそう考える根拠があるからで国家破産論者がお金儲けで書き散らす破滅とは違う次元で何かあるような気がする。近い未来に・・・