|
読売グループの不可解さ (2009.12.17)
読売グループというのは創設者が警察と関係あるせいか、どうもとっつきにくい。謎めいたところがある。外部から見れば朝日新聞も同じかも知れない。だが、元業界人から見ても読売は不可解な部分がある。例えば警戒の厳重さである。
ある時、広告会社の営業と一緒に社員食堂で食事をしていたら「朝日(名古屋本社)の食堂は不味い」という。彼の主張によると
1.毎日はレベルは朝日と同じだが、色々工夫してある 2.中日は安いしうまい
と
いうことらしい。では検証してみようという事で彼に頼み、彼の広告会社の中途採用社員という「肩書き」で各社の社員食堂を廻ってみた。このツアーでは彼が
先輩という設定なので、受付では「新人です。よろしくお願いしまーす」などと演技すると彼は彼で「老けてますが中途採用なんで」と先輩顔をしたのだった。
ちなみに彼は私より4歳年下だった。
毎日の食堂に関して言えば正直ガッカリしたが、中日新聞の社員食堂は本当に良かった。彼の言うとお
り、安いし美味いしメニューも豊富、何より大きな窓ガラスの向こうに名古屋城がそびえており景観が抜群だった。最も朝日新聞東京本社の社員食堂には及ばな
かったが。朝日東京本社の社員食堂は複数あった。幹部用、普通社員用、別館用である。この普通の社員食堂ですら常に和洋中華の3種類の選択ができた。さら
に常設すしコーナーもあった。そして窓の向こうには東京湾が広がっている。あれを超える社員食堂はそうないだろう。
ところで中日の後、読
売にいこうと言ったら、彼は「読売は入れない。あそこは入り口で社員証をチェックをする」と答えた。不思議な話もあるもんだ。朝日新聞前には恒常的に「右
翼」の街宣車が来ていたが受付は何もチェックしなかった。逆に読売(中部読売新聞本社)に対し何らかの抗議活動がなされているのを私は見たことがないのだ
が、受付の警戒レベルは読売のほうがはるかに上なのだ。この理由は不明だ。ところで読売グループの特色の1つに旅行関連が多いということが挙げられる。そ
の読売旅行で下のような事件がおきた。
引用
http://www.asahi.com/national/update/1216/TKY200912160208.html
読
売旅行(東京都中央区)が許諾を受けていない観光地の写真を新聞折り込みチラシや旅行パンフレットに無断掲載していた問題で、警視庁は16日、巣瀬一社長
(63)と須賀信二副社長ら5人と法人としての同社を著作権法違反の疑いで書類送検した。同庁は、社長らが容疑を認めているかどうかを明らかにしていな
い。
生活経済課によると、送検容疑は、同社が昨年6〜7月、発行したチラシやパンフレット計数万枚以上に、大雪山(北海道)や天草
五橋(熊本県)など観光地の風景写真4点を著作権者の写真貸出会社「アイ・フォトス」(同新宿区)に無断で掲載したもの。捜査関係者によると、他の旅行会
社のパンフレットの写真を切り取り、データを読み込んで使っていたという。
読売旅行は昨年10月、観光地の写真の無断掲載が「相当以前から恒常的に、全社的に行われていた」とする外部調査委員会の報告を発表。同庁は同11月、読売旅行本社などを家宅捜索していた。
引用終わり
ふーむ、まず新聞社の系列会社を捜査するというのが何かの政治的な風向きを示しているのだが、新聞社の系列旅行会社で著作権物を恒常的に無断使用していたというのが信じられない。ここらあたりはややこしい話なので順を追って説明すると
1.朝日内部でも旅行会社を作ろうという話は何度も出た。だが、事故がおきた時に会社のイメージが大きく傷つくという理由でずっと見送られた 2.広告面から見ると、系列旅行会社があり広告を出してくれるのは融通が利くので非常にありがたかったが編集の反対で実現しなかった 3.実際、広告局が中心になった旅行イベントはしょちゅうあったが、常に主催はJTBなどの旅行会社であり、朝日新聞は協賛くらいにとどめていた。理由はやはり事故が怖いからだ。実際、編集から広告に対しクレームがつくこともあった。 4.元朝日社員からすると読売新聞が系列に旅行会社を抱えているのは経営面では良いだろうが、いつかしっぺ返しを食うだろうと思っていた。
こ
ういう形でしっぺ返しが現れるとは予想していなかったが。ちなみに、こうした著作権物の無断使用は朝日でも無いことはない。私の上司は、自分が担当した広
告企画面である地図会社の地図を複製し無断使用した。ところが、掲載されるとすぐに抗議が入り話し合いの末に相当な金額での和解をしたと言う。この上司は
「おまえ達、著作権物の無断使用だけは絶対、するな」とよく言っていた。よほど地図の件で懲りたらしい。ちなみに何故、その地図が無断使用とバレたかとい
うと、地図には著作権保護のために意図的な間違いが埋め込まれているからだという。中々、どの業界も奥が深いのだ。
しかし読売グループは何故ナベツネあたりが動いて和解に持ち込まなかったのか?経済的に追いつめられていた、よっぽど悪質だった、警察との関係が悪化しているのどれかだろう。
読売は数週間前までは大連立の延長的な論調が残っていたが今朝の一面ではナベツネの刎頸の友、大勲位による日米同盟の重要さを強調する記事があった。どう関係するのかは一切、不明だ。
| |