小泉は格差を無くそうと試み失脚した

2chを読んでいると未だに小泉改革により格差が広がったという意見が散見される。だが私の意見は正逆であり、小泉は日本に存在する構造的格差に切り込み、格差の小さい社会の実現を目指したが、それが既得権益層の逆鱗にふれ挫折したと考える。

地 方に住んでいるとよく判るのだが、地方公務員は地方の特権階級だ。その最大の理由は彼らの給与が不当に高い事に由来する。地方公務員の給与は、その地方の 民間企業の平均を参考に決められると言われている。だが実際には、その地方を代表する優良企業の給与を参考に決められている。そこに公務員官舎だのがつけ ば立派な特権階級だ。

小泉はこれを理解していた。そして財政諮問会議主導で、この構造的格差を是正しようという大胆な試みをしたが、そこで挫折した。つまり本丸に到達する前に小泉は追い落とされたと私は考える。

今、話題になっている公務員/官僚問題が全て国家公務員に限定されていることに気づかれているだろうか?何故、地方公務員の不当に高い給与が鳩山政権で全く問題にされないのか?それは結局、鳩山政権は格差拡大、既得権益の固定化しか考えてないからだ。

も ちろん官僚に問題が無いとは私も考えない。だが官僚が大きな国家の設計図や枠組みを考え、地方公務員はその枠組みの中でやりくりしているだけだから官僚の 権益が地方公務員より大きいのは当然だ。私の知り合いにも数人、官僚になった人がいるが、彼らの給与などが適正かどうか意見をいうほど事情を知らないので コメントを控えたい。TVや新聞で官僚批判をしている人は数十人以上の官僚知人を持ち、彼らの事情を熟知した上で批判しているのだろうか?私は大きな疑問 を持つのだ。

さらに残念なことに民主党政権になってから、数少ない「国民の味方」である検察や警察が目の敵のように攻撃されている。

今、地方公務員の優雅な生活という構造的な格差に切り込もうとした小泉がまるで格差社会を作ったように批判され、既得権益をさらに固めようとする鳩山政権が格差是正に取り組んでいるように報道されている。国民が日本メディアを見捨てる日は近いだろう。