ボラの微笑みは需要と供給の反映である
(この文章は誤解を含んでいる可能性があります)

FOTM のオプションやITMのオプションでIVが高くなる現象は日常的におきている。これを権利行使価格ごとに結んで曲線にしたものがボラティリティー・スマイ ルである。ここではボラの微笑みはただの需要と供給で決まるという説明をして見よう。とりあえずブラック・シヨールズ・モデルには行使価格という概念が無 いのでBS式がおかしいという訳ではない。OTMやITMを最初から想定していないからだ。

需要と供給で考えた場合、OTMやITMの IVが高いのは売り手が少ないのに買い手が多いからだと考えられる。では誰がOTMのオプションを買っているかというと投機者、特にバック・スプレッドと いう手法を使う人だろう。あるいは何らかのダイナミック・ヘッジの一環として買われているのかも知れない。何故なら日本のオプションの刻みは5円で荒いから だ。OTMの値段が20円以下のオプションになると1円刻みになり、より厳格なヘッジが可能になる。

では誰がITMを買っているのか?これは年金などの保守的な投資家だろう。彼らにして見れば、どうせ買うならすぐに腐らない、つまりθが小さいオプションを買ったほうが都合がよいと思われる。

ということはATMのオプションを売買したい人は予想以上に少ないということになるのだろうか?出来高が多いのは単純に変動益を狙っての短期売買の結果だろうか?これは不明だ。

ところでITM、特にDITMでは板がほとんど無い。だがオプションを買いたい人に対し売る人がいないと取引が成立しない。ここでの売り手はマーケット・メーカーである。実際にはPC上のプログラムのようだが、現実にマーケット・メーカーに指名されている証券会社がある。

オ プションそのものは大阪証券取引所で取引されている。だが、実際にはオプションはマーケット・メーカーをやっている証券会社(GSや野村)が引き受けているの ではないかと思う。例えば6月コールの権利行使価格3000円を5千枚引き受けても別に困らないだろう。何故なら、誰も買いたい、売りたいという注文がこなければ時間外取 引でクロスして存在を消してしまえばいいからだ。同時に売れ筋商品(ATMのオプション)では安売り合戦がおきるだろう。何故ならGSも野村も自分たちが抱えて いるオプションを売り、あるいは買いさばいて利益を上げたいと思うからだ。

一方でOTMのオプション権利を引き受けるマーケット・メーカーは少ないようだ。つまり最初から持ち玉が少ない。少ないところにバック・スプレッダーなどが買いを入れるから需要と供給の法則により値段=IVが上がる。

他方でマーケット・メーカーは流動性確保のためにDITMで板を出す義務を大阪証券取引所から科されている。そして、DITMでも買いたい人(保守的な投資家)が多いために、結果として値段=IVが上がる。

という風に考えるとボラの微笑みはマーケット・メーカーの都合と需要と供給の法則で決まっているようだ。つまりOTMやITMの高いIVは「妥当なIV」である。

と儲かりもしないのに考えるのは好きなヘッポコ・トレーダーである私は推測する(笑)。