プットコールパリティは日常的に破れている

プットコールパリティとは、同一の原資産、同一限月、同一行使価格のプットオプションとコールオプションの間に成立する価格(プレミアム)の相関関係である。

コールオプションの価格−プットオプションの価格=原資産価格−権利行使価格÷時間割引率

で は現実にプットコールパリティが成り立っているかを見てみよう。例えば今、5月限を見たが、(合成先物で見る限り)全く成り立っていない。プットコールパ リティは近似的に成り立っているだけである。それを言えば、先物価格もまたしょっちゅう理論価格からかけ離れた値段だった。つまりプットコールパリティと か先物の理論価格というのは大枠とか心構えのようなもので現実には成り立たないほうが多いと考えるほうが正しいのだろう。

では何故、プットコールパリティが成り立たないのか?理由はいくつか考えられる。

1.需要と供給のバランスが崩れている
2.マーケット・メーカーの都合
3.GSの嵌め込み
4.CSの売り崩し
5.市場の気まぐれ
6.裁定業者が夏休みに入った
7.神の意志
8.宇宙ができて137億年、そして地球が46億年たったから
9.プットコールパリティが成り立つべきという思いをいただいた。だが市場は何もしなかった。これは自民党の負の遺産があるからだ。
10.何故、プットコールパリティが成り立たなければいけないんですか?2番じゃいけないんですか?

最 大の理由は1.と2.と6.だろう。最近は虚無的になっており先物は理論価格から必ず外れる、プットコールパリティは時々、成り立つ、ボラティリティーの 裁定は運が良ければ利益が出るとまで私は考えるようになった。実際、プットコールパリティが全ての権利行使価格で成り立つのはSQ決済される時だけだ。

誰 か実践的なオプション取引に関する本を書いてくれないものだろうか?これはプロの連中は書かないだろう。何故かと言うと、投資銀行などの収益の柱はオプ ション市場で売り手となり「保険業」で稼ぐことだからだ。ちなみに、もう1つの柱はディストレスト投資と呼ばれる、経済不安に関するコンサルタント業だ。

オプションに関する良書が無いという声はネット上のブログのあちこちに見られるが、それにはちゃんと理由があるのだった。しかしプットコールパリティーさえ、「成立」してないのだからボラティリティーの裁定ができる訳が無いと思うのは私の修行が足りないせいか・・・