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遂に始まった格付け会社規制
先週の為替と株は
凄まじく荒れた。ギリシャ発のソブリン・リスク危機が他のヨーロッパ諸国にも感染することが憂慮されたからだ。そうしたソブリンリスク危機をおこしている
主体の1つが欧米格付け会社だ。日本に関して言えば、国内の格付け機関が2つあるので、外国の格付け会社による日本の格付け引き下げが即、暴落を意味するわけ
ではないが、影響は当然受ける。
ギリシャに関して言えば、これまで高い格付けを維持していたのがむしろおかしいと私は思う。格付けがゲタ
をはいていた事のほうが問題だろう。だがギリシャ以降、スペインやポルトガルといった国々でソブリンリスク危機が始まり、とうとうEUは独自の格付け機関
の設置検討を始めた。
ところでアメリカがそうした格付けの本場なのだが、アメリカにおいても格付け会社を規制する動きが始まった。まず債権運用会社ピムコのビル・グロスによる発言があった。
http://www.bloggingstocks.com/2010/05/05/pimco-s-gross-ratings-agencies-lack-common-sense/
Pimco's Gross: Ratings Agencies Lack Common Sense Posted May 5th 2010 5:40PM by Joseph Lazzaro
ピムコのビル・グロスは自社のサイトにおいて「格付け会社は必要だが、彼らに支払われる対価は大きすぎるし、彼らの格付け査定は債権発行者の影響の下に行われる。それは少なくとも格付け会社の精神をかきまわし判断に悪影響を与えるとは言えるだろう」と述べた。
グ
ロスは格付け会社は常識を欠いていると主張。格付け分析が格付けを依頼し費用を支払うものにより影響を受けると指摘。
もしアメリカ議会もグ
ロスと同じように考えるなら、過去に証券やソブリン格付けと関係を持たなかったスタッフを中心とした連邦政府系の公務員からなる格付け会社を設立すべきだ
という提言が上のブログで成されている。
ところが事態は私の想像をこえた速度で進んでいるらしくムーディーズ廃業の可能性まで出てきたのだ。誰が格付け会社を潰すのか?SEC(アメリカ証券取引委員会)である。
http://wallstreetpit.com/26729-sec-considering-cease-and-desist-action-against-moodys
SEC Considering “Cease-and-desist” Action Against Moody’s By editor|May 8, 2010, 2:43 PM|Author's Website
米
国SECが格付け会社ムーディーズに対しCease-and-desist勧告を出すことを検討していると3月に通告した事画先週の金曜日、明らかになっ
た。Cease-and-desistは何かというと(この場合)業務停止命令(警告)である。従わない場合、何らかの法的措置が取られる。
SECは「Wells警告」の中で「ムーディーズの格付け手順と原則は誤っており、誤解を生みやすい」と主張したという。
SECが勝つかどうかは不明だ。日本と違い、アメリカでは連邦政府や検察が負けるケースがかなりあるからだ。だが、何かの新しい動きが始まっているのは確かだろう。
アメリカ連邦政府系の公務員からなる格付け会社が本当に設立されたなら私は日本の格付けはアメリカと同じになると思う。何故ならアメリカが外貨準備として保有している資産内訳を見ると金の次がユーロと日本国債だからだ。
もし、そうなった場合、ずっと国家破産を唱えてきた日本のメディアは一体、どう対応するつもりだろうか(笑)。
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