情報量が多いのは良いことなのだろうか?
2010.07.06

話題の映画「ザ・コーブ」について書こうと思ったのだが何しろ私は映画もTVも見ない。YouTubeあたりに動画があるかも知れないが、元々映画が嫌いなのに無理に見ることはないだろうと考えた。

し かし何故、私は映画もTVも見ないのだろう?考えてみると20代の頃に見たハリウッド映画が理由のようだ。私は、その映画を2千円程度のお金を払い見たの だが、映画を見終わっても、どういうストーリーだったか私には理解できなかった。男性の主人公と女性のサイドキックがいたように思うが、最終的に彼らがど うなったのか、戦いに勝ったのか、最後まで生き延びたのか全くわからないのだった。何故、わからないかというと映画の情報量があまりに多いために、どれが 重要な情報なのか判断できないからだった。私は英会話はメチャクチャ下手くそとは言え、一応英検1級なのだが会話を聞いても字幕を見てもサッパリ内容が理 解できなかった。

では一般の映画ファンはどうしているかというと彼らはまず事前に情報をしこむ。基本的なプロットとか登場人物はパンフな どで完全に暗記した状態で映画に望む。さらに映画雑誌などが「この映画の見所は**ですよ」と親切に教えてくれるので、その部分を見逃すまいと必死にな る。で、その見せ場になると拍手したりスタンディング・オベーションをしたりする。中には間違えてスタンディング・マスターベーションをする人もいる(と いう噂がある)。

自分が変人だからかも知れないが、そこまで卑屈な態度で映画を見る必要があるのかと私は思う。 www.live365.comのようなネットラジオを聴くと、時々、どこの国の誰が演奏しているのか知らないがずいぶんカッコ良い音楽だなと思うことが ある。何故なら、私が音楽を評価する基準は自分の耳や心や体に訴えるものがあるかどうか、それだけだからだ。そうした評価が可能なのは音楽の持つ情報量= 判断材料が少ないからだ。

全て情報量の差である。映画やTVの情報量は圧倒的に多い。その為に何が重要な情報かを見分けるのは難しい。例 えばTVのニュース番組の中心はニュース/出来事のはずなのだが必ずしもそうなっていない。人によってはニュースの内容はどうでも良く、男性アナウンサー のネクタイのセンスがどうとか、女性アナウンサーの化粧や髪型ばかり気にしてる。

情報量で分類していくと

1.映画・TV
2.演劇・芸能
3.新聞他の伝統的な活字媒体
4.2chのような猛烈に簡潔な活字とAAだけのネット媒体

となる。

私 の正直な感想を言うと2chが一番、理解しやすい。何故なら2chには情報の骨子しかないからだ。逆に映画やTVといった画像情報をこれでもかと送りつけ る媒体は何処に情報の骨子があるかわからないために極めてわかりにくい。平均的日本人より遙かに痴性と狂養のある私が見てもTV番組は何が骨子なのかわか らない。わからないという事はTV視聴者は、TV司会者やキャスターなどの主張を鵜呑みにしているのだろう。

情報ソースは多ければ多いほど良い。だが今、問題になっているのはコンテンツに含まれる情報量過多のように思う。そして人間が処理することのできる情報量には明白に限界があることを考えれば、映画やTVといったメディアの持つ本質的な欠陥は自明だ。

マ ンガやアニメに関しては、ドラゴンボール辺りまでは単純化されることによるわかりやすさという利点があったと思う。とりあえず現在のマンガ、アニメ、ゲー ムに関して言えば私は何ら興味がない。何故なら意味のない情報が多すぎるからだ。例えば、背景に描かれている町並みがやけに精密に見える点だ。

今、必要なのは情報ソースの拡大と情報コンテンツの簡略化と私は考える。