賢者は本当に歴史から学んでいるのか?
2010.07.13

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というビスマルクの言葉がある。私は歴史に全く興味がない。このサイトに書いてることも自分が体験した上で、ある程度の自信を持って主張できることだけだ。つまり私は典型的な愚者ということになる。

引用(2chソース)

「ロー マ人の物語」などの著作で知られるイタリア在住の作家、塩野七生(ななみ)が月刊誌「文芸春秋」8月号の巻頭随筆で、参院選を論じている。タイトルは<民 主党の圧勝を望む> だれもが圧勝はあるまい、と予感しているだけに、意外性がある。この2ページの短文、男女関係までからめてつづられ読みごたえがある が、論旨には同意しかねる。なぜ圧勝を望むのか。塩野は<政権安定のためである。それも、他の党との連立を組む必要のない、強力で安定した政府にするため なのだ。……多くの日本人同様に私も、日本の政治家に希望をいだかなくなって久しい。だから、菅新首相に特別に期待しているわけではない。ただ一つ、参院 でも過半数を制して安定した政府をつくり、それで少なくとも三年はつづいてくれ、という想(おも)いだけなのだ>

記事引用元:毎日jp(毎日新聞 2010年7月10日 東京朝刊
http:    //mainichi.jp/select/seiji/iwami/news/20100710ddm002070072000c.html 

引用終わり

そ うか、この人は七生(ななみ)と読むのか・・・ 私はナナオだと思っていた。そう言えばディスプレー・メーカーのナナオは1回潰れた。押し入れを探したら ナナオの15インチLCDが出てきた。名前の読み方を知らないくらいだから私は塩野さんの本を買ったことも雑誌での文章を読んだことも一度もない。そもそ もローマ帝国の歴史に興味がないのだ。

上の文章を読む限り、歴史家というのは「お花畑信者」らしい。今回の選挙に関して言えば、賢者は経験に学び愚者は歴史に学んだと言えるかも知れない。

塩野さんにもローマ帝国にも興味ない以上、ことさらに馬鹿にするつもりはないが大きな違和感を覚えたのは確かだ。それは何かというと「アフリカには歴史は無かったんですか?」という疑問である。歴史家というのは西欧の歴史の講釈をする人なんですかというものだ。

引用

ニジェール川流域での覇権の推移は

ガーナ帝国→マリ帝国→ソンガイ帝国

と なります。ガーナ帝国はいまいち不明な点もありますが、マリ帝国を立てたマリンケ人は普通に黒人ですし、トンブクトゥに大学(マドラサ)があったのも確か でしょう。いろいろ資料を読む限りは1324年にメッカ巡礼に行ったムサ王(マンサ・ムーサ)が建築家を招いて大学やモスクを建設させたようです。ただし なぜかソンガイ帝国が黒人初の大学を建てたと書いてる資料もあるようです。「正解と史実が違う系」のようです。

引用終わり

他 にもコンゴ王国、アンゴラ王国、ヨルバ神話体系などが頭に浮かぶ。これは歴史を勉強した訳ではなくアフリカ音楽を聴いているうちに知らず知らず覚えた。特 にヨルバ神話体系はキューバ・ブラジル音楽ファンにはなじみが深いだろう。水の女神イエマンジャーなどは歌の中に頻繁に出てくる。ちなみにアンゴラでは海 の女神は人魚キアンダとされ重要な神とされている。

で、塩野さんはアフリカの「豊かな歴史」を勉強されたんですか?歴史家を名乗られている以上、したという前提で話をしますが、世界史のなかで何故、ロ−マ帝国が突出して重要と考えるのですか?私にはその理由がわからない。

アフリカはホモ・サピエンス生誕の地でありジャズなどの現代において主流になっている音楽の基礎を提供した。その歴史、文化、文明は十分、学習るに値すると私は考える。

まあ、こういう事を主張するから「所詮、変人」と笑われ社会から相手にされないのだろう。だが社会から相手にされるかどうかに関係なく自分の考える「歴史」はハッキリと存在する。それは塩野さんの熟知する歴史とは異なるだけだ。

塩野さんは「自分の熟知する歴史こそ本当に重要な歴史である」ことを証明してほしいと私は思う。