日銀を擁護し為替介入に反対する
2010.08.20
あちらこちらで日銀に為替相場に介入しろという声が高まっている。私が「経済がわかってる」と考える人たちまでも為替介入が必要だという。
だ
が彼らは根本的な勘違いをしている。日本円は完全な変動相場制のなかで動いている。欧米との比較では「口先介入」すらしていない。そうした環境で日本円が
市場参加者に買われるのにどんな問題があるのだろうか?為替介入を求める人たちは何が現在の世界経済を根本的に歪めているかを理解できていない。それは何
か?中国による為替政策である。
今や、中国は日本を抜き世界で2番目の規模の経済になった。そして世界最大の貿易黒字を出している。その
国の通貨が「固定相場」(ドル・ペグ)にある事こそが、問題であり日銀の姿勢は何ら関係ない。では為替介入の代わりに何をすれば良いのか?中国製品に対す
る50%程度の関税である。本来であれば日米欧で協調してやるべきなのだが、日本単独でやっても良い。何故なら、日本が中国製品に50%の関税をかければ
中国は欧米でダンピング販売をやらざるをえない。欧米もそれは避けたいので結局、50%関税を採用することになる。
繰り返すが、現時点で
異常なのは日銀の政策ではない。中国の為替政策である。ではオバマは何故、手を打たないのか?これは中国が米国債売却をちらつかせてアメリカを脅している
ことは既に書いた。つまりオバマはチキン・レースに負けて、中国に叩頭しているのだ。これはオバマが経済政策に関する限り、完璧に無能であることを証明し
ている。
だが日本は別にJGBを中国に買ってもらう必要は無い。いつでも売ってもらってかまわない。つまり、今やるべき事は日銀による為替介入ではなく、政府による中国の不公正貿易慣行に対する制裁関税である。そして日本がやれば欧米も追随する。
つまり読売や朝日は「腰抜けオバマ、何故、中国に開戦せぬ?」とかき立てるべきだ。あなた達は60年前の紙面でそう書き立て日本国民を開戦にと煽った。今、必要とされているのは洗脳工作機関としてのあなた達の豊富なノウハウだ。
ここで日銀が100兆円規模の為替介入をやったとしよう。そうすると市場からドルが吸収されるからドル不足がおきる。多くの企業といくつかの国がとぶことが予想される。日銀がやりたくないのは当然である。
繰
り返すが、問題をひき起こしているのは世界2位の経済になり世界最大の貿易黒字を計上しながら、「固定相場」を続けている中国である。そして中国が人民元
切り上げをしないなら報復関税を課すだけで同じ事を達成できる。重要なのは、報復関税を課すことで世界経済の歪みを根元から直すことである。日銀の為替介
入はただの対症療法である。
今日、一日ネットを見て回ったが「まともな主張」をしているサイト・ブログは皆無だった。オバマがチキンならほっとけば良い。日本単独でも報復関税を課すことが唯一の「本当の解決策」であると私は考える。