Samplitudeは何故、音が良いか?
2010.09.10

実は音楽制作ソフ トを8月からSamplitude Music Studio 16に変えた。これはSamplitude11のDL販売用廉価版である。 Samplitude Producer Editionと違う点はメニューが全てドイツ語という点だ。その分、値段が安い。私は日本円9000円弱で 買った。もちろんクレジット・カード処理も全てドイツ語である。しかし、こうした音楽ソフトはみんな同じようなメニュー形式だからドイツ語でも特に不自由 はない。

インストールして最初に気がついたのはGUI/スキンの変化である。後はVandal SEという物理モデルのアンプ・シムが追 加されているくらいか。ちなみにサイトにあるmp3で言うと「黒い人魚のサンバ」あたりからSamplitude Music Studio 16を使っ ている。音質が少し良くなり、音圧が自然な形で上がっている。オーディオ内部処理自体は32ビット浮動小数点処理で変わりがないのだが、どうも主要な部分 を64ビットで書き換えたらしい。

わかっている人には「当たり前のことを書くな」と言われそうだが、リバーブ(残響)とかEQとかは全て デジタル演算である。当然ながら演算誤差が出てくる。それが音質を劣化させたり、時にはノイズをもたらす。そうした演算誤差は内部処理を64ビット浮動小 数点にすれば理論上、ほぼゼロになる。だがそうした内部64ビット浮動小数点処理をするソフトよりSampllitudeのほうが音が良い。これは実際に 色んなソフトのデモ版をDLして試用したが、やはりSampllitudeのほうが音が良いと私は感じた。だが(恐らく経営不振のせいで)最近の Magix(Sampllitude発売元)は秘密主義になっており、何故音質が改善したのかハッキリと言わない。

そこで想い出すのが、 2002年頃試用していたSAWという音楽ソフトである。このソフトはWindows上での初期DAWのひとつだが、恐ろしく音が良かった。値段も高かっ たが・・・ 私は発売元であるIQS(Innovative Quality Software)にメールを送り「どうしてこんなに音が良いんだ?」と聞いたところ驚いたことにプログラマーから返事がきた。彼の返事を要約すると

1.SAWはほとんどアセンブリー言語で書かれている。それがSAWの実行速度を上げている
2.内部処理はウンタラ、カンタラで実質的には54ビット固定に相当する

だから音が良いということらしい。音質が良いと言っても2002年頃にしては良かったというだけで、Reaper0.99と比較するとReaperのほうが良かったりする。しかもReaper0.99は(実質的に)無料である。

私 はアセンブリー言語で書かれているプログラムが異様に好きなので今でもSAWのプログラムを保存している。フロッピー1枚にヘルプ・ファイル他全てのファ イルが収まる。しかもOSのレジストリーを書き換えるような行為は一切、しない。WIN98SEでしか動作しないので98SEのOSのCDも保存してい る。

SAWの販売元であるIQSがつぶれたようにSampllitudeの発売元であるMagixも潰れるかも知れない。今のMagix (DAX上場)の株価は5ドルくらいかな?まだ、もう少し持ちそうな気がする。残念ながら音楽制作も株価を日々、チェックしながら行うようになってしまっ た。これもまた残念な話だ。

追記

Sampllitudeは重いと思われているかたに情報提供を。もし付属音源に興味がないならrevolta*.*とvita*.*を削除すると見違えるように軽くなる。エラーメッセージも全く出ない。お試しあれ(笑)。