結局、音楽教育は何なのさ(笑)
2010.09.14
このサイトの文章を読んでいるかたは私は全て独学で音楽と英語を勉強したと思われているかも知れない。英語に関しては、その通りなのだが、音楽に関しては何回か正当なアプローチも試みた。今回はその事について書いてみよう。
キ
ンシャサから帰った私はとりあえずドラムスの勉強をしなければいけないと考えた。すでに貸しスタジオで自由なドラミングはやっていたのだが、ある日、私は
ヤマハが主催するドラム教室なるものを受講してみようと考えた。入会金を払い、1回目のレッスンに出た。みんな10代後半の若者ばかりであり、30代は私
だけだった。
スタジオ内に8人くらいいたのかな、記憶はハッキリしない。ともかくヤマハの講師はドラミングの基本はレギュラー・グリップ
であり、レッスンも全てレギュラー・グリップで行うと言った。マッチト・グリップは自分の暇な時間にやりたい人が練習しろと言った。何故なら、この講師の
主張によるとレギュラー・グリップができるならマッチト・グリップは簡単に覚えられるからだ。
ここで私は猛烈な異議を唱えた。何故ならキ
ンシャサで私が見たドラマーは全てマッチト・グリップで叩いていたからだ。「何故、レギュラーができるならマッチトは簡単にできるのか説明しろ」と私は講
師に要求した。すると講師は「ならオマエ、マッチトで何かフレーズを叩いてみろ」と言った。そこで私が普段から練習しているコンゴを代表するドラマー、
ジュジュシェのフレーズを叩くと講師は無視した。そのレッスンの後にヤマハから電話があり、「次回からドラム・レッスンに出なくていい。お金は全て返す」
と言われた。要するに私の行為は営業妨害と思われたのだ。
今なら、ドラム初心者にレギュラー・グリップを強制することの馬鹿らしさが理解できると思うが、当時は「何故、マッチトはいけないんだ」と主張する私のような人間は完全な少数派だった。
2
回目はコーダルなアプローチとモーダルなアプローチがわからない時だった。ある人が適当な講師を紹介してやると言った。その人は長距離運転のトラック運転
手として生計を立てながらテナー・サックスを吹く美祢市のジャズマンだった。だが長年の不養生がたたったのか肺水腫にかかっており医者から「これ以上、
サックスを吹くなら死ぬぞ」という警告を受けていた。この人のモード理論講義は割と安かったので私は受けようかと思ったが、ロクリアンの解説を受けている
内に口から血をはいて死なれるのも怖いとおもったので結局、受けなかった。
この人は医者のアドバイスを無視してキャバレーなどでサックスを吹き続けたために半年後に死んだ。だが所詮、田舎のジャズマンでありリディアン・クロマティック・コンセプトの解説すらできなかっただろうと私は思う。
つまり私は正統な音楽教育を拒否した訳ではなく、むしろ積極的に習おうとしたのだが、先方さんが「オマエのようなヤツはいらない」と言われたのだ。この点はきちんと誤解が生まれないように説明しておきたい。
逆に言えば、私がやってるレベルのリハーモナイゼーションや作曲なら独学で十分とも言えるのだが・・・・・