なぜサンバは男性名詞か?
2010.09.16
ブラジル・ポルトガル語においては
名詞に性がある。男性名詞と女性名詞である。他にもあるが単純化するために省略する。一般にはoと終わっている名詞は男性名詞でありaで終わっている名詞
は女性名詞である。ちなみに日本は男性名詞だが中国は女性名詞であるといかにもネット右翼らしく書いてみる(笑)。
ところがsambaはaで終わっているにも関わらず男性名詞である。o sambaである。そうした例外はわりとあるのでこれまであまり気にかけなかったが、しかし以下のようなことは考えられないだろうか?
バ
イーアかリオかどこかの町にサンバという名前のコンゴ系男性が住んでいた。この男性はとても魅力的なリズムを叩くのでみんなが夢中になった。そのリズムは
最初はo ritmo de Senhor Samba(サンバさんのリズム)と呼ばれていたがこのリズムが広がっていくうちにリズムそのものがサンバと
呼ばれるようになった。このリズムがブラジルにおいてあまりに広がったためにサンバは男性名詞として定着した。何故ならサンバさんは男性だったからだ。
ま
あ、ブラジル=サンバの国ではないのでいくらでも反論できる仮説だが、コンゴにサンバという名前の男性がたくさんいるのは事実である。これは最後に書く。
そして西アフリカにほとんどいないのもまた事実である。ではブラジルのサンバはどこからきたのか?アンゴラのセンバという説明も可能だが、何回も述べてい
るがコンゴとアンゴラを厳密に分けることは不可能だ。そして重要なことはサンバという人名はアンゴラにもあるということだ。
ところでカーニバルにおいてパレードをする連中はエスコーラ・ジ・サンバ(サンバ学校)というグループに属しているが、これは本当にかつてはサンバさんが教えていた学校あるいは教室の名残ではないだろうか?
追記
別に資料をそろえてる訳ではないので全て記憶で書く。だが年季の入ったコンゴ音楽ファンはみな知っているはずだ。
サム・サンバ:コンゴ人作曲家。ストゥカスというコンゴを代表するグループが全曲、サム・サンバ作曲のアルバムを出したことにより知られるようになった。
サンバ・マパンガラ:ケニアやタンザニアを中心に活動したコンゴ人歌手。割と有名。軽いが聴きやすい。
シェリ・サンバ:コンゴを代表する画家。タンザニアのTingaTingaに似た画風。
サンバ・サンバ:コンゴで大ヒットした曲
後はコンゴを代表するドラム奏者の一人パチョ・スターの本名(nome authencite)がサンバだったと思う。残念ながらこれは裏付ける資料がない。