南米各地にあるサンバ
2010.09.19

サンバというとブラジルのリズムと思うかも知れないが、隣国アルゼンチンにもサンバというリズムがある。こちらはzambaと書く。スペイン語での頭のzは濁らないから発音はサンバだ、さらにペルーにもサンバというリズムがある。

以下、数年前に書いた自分の文章を引用。

アフロ・ペルビアン

カホンの関連で例によってジョン・ストーム・ロバーツの本を調べるとペルーのリズムとしてsamba malatoというのが挙げられていた。興味を覚えアフロ・ペルビアンについてネットで調べてみた。

www.under-one-sun.org/APCulture.html

こ こに詳しい解説とビデオ・クリップがあった。このビデオが良いのである。カホンなどの打楽器の伴奏で黒い男女が踊るのだがキンシャサとキューバの中間とい う感じがした。相手に合わせるが決してペア・ダンスではなく自由に体を動かしている。黒いペルー人の踊りを始めてみたが実に私好みである。

簡 単に歴史を紹介すると16世紀に金や銀鉱山の労働者としてアフリカ人奴隷が入ってきたがアンデス高地は彼らにむいておらず多数が死んだ。その後、海岸の砂 漠地帯に移されそこの農場で働くようになった。ほとんど孤立した共同体を保ちその音楽は40年くらい前までほとんど外部に知られてなかったが25年くらい 前から人気が出たとあった。スサーナ・バカという女性のアルバムが結構、世界的に売れて注目を集めた時期もある。

私の興味を引いたのは彼らの音楽的中心地El Carmen地区(首都リマの南)で、その海沿いの立地はタンゴ発祥の地ボカを連想させるのだ。

上 記サイトによるとペルーのアフリカ系住民はアフリカの色んな地域から小グループで「輸入」されたという。これは奴隷の反乱を押さえるためだ。だが奴隷貿易 の初期にコンゴ・アンゴラ系が多かったのも事実だ。16世紀にペルーに来たアフリカ系がコンゴ・アンゴラ人であった可能性は高い。ビデオ・クリップを見て もコンゴ的土臭さを感じる。samba malatoも別ソースで聴いてみたがこちらはあまりブラジルのサンバの雰囲気がなかった。

これら全てをコンゴ・アンゴラ起源であるとこじつけるほど私はカルト信者ではない(笑)。だが興味深い現象だとは思う。