ヤシ酒は本当に美味いのか?
2010.09.19

グルメで知られる開高健氏がナイジェリアに行かれた時にヤシ酒を飲まれた。その体験をある文庫本で書かれていた。

開 高氏によると「ヤシ酒は、泡が立っており、見た目も匂いもションベンにそっくり。鼻をつまんで飲んでみたら味までションベンそっくりだった」と書かれてい た。ヤシ酒を英語でPalm Wineと言うのだが、アフリカ最初期のポップスはパーム・ワイン・ミュージックと呼ばれるハワイアンに似た音楽だった。そ れを知っていた私は開高健氏の文章を興味深く読んだ。しかし見た目も匂いも味もションベンなら、それは本当にションベンでは無いのかという疑問を私は持っ たのだが、開高健氏ほどのグルメになると、そのような些細なことは気になさらないのだろう。

すでに書いたが、実は朝日新聞在職中に開高健 氏と夕食をともにする機会があったのだが、私はそれをあえて見送った。何故なら、その企画を取り仕切っていたのは電通であり、電通の営業と酒を飲むくらい なら、吉野屋で牛丼を食ったほうが良いと私は考えたからだ。次の日に「竹さん(私のこと)は昨日、開高健さんとの夕食に出ずに何をしてたの」と聞く人がい た。私は正直に「吉野屋で牛丼を食べてアパートに帰りました」と言ったところ同僚からあきれられた。しかし電通と酒を飲むくらいなら私は正直、牛丼を選ぶ (笑)。

この時の接待の場所は名古屋市にある魚徳という小料理屋だった。魚徳がどういう料理を出すのかは私は知っていたので、たいして未練は無かった。

と ころでヤシ酒に関しては、今はネット上で飲んだ人の感想がいくらでもある。ほとんどの人はさわやかで美味しいと言う。それは開高健さんの記述と全く違うの だが、味なんて所詮、主観のかたまりであり、ションベンと思えばションベン、さわやかな美酒と思えばそうなんだろうと私は思っている。

関係ないがヤシ酒を美味しんぼで取り上げてくれれば良かったのにと私はずっと思っている(笑)


京極「山岡はん、何んちゅうものを出しはるんや。これは故郷、四万十川のそばにあった野ツボの味とかをり、そのものや」

山岡「京極さんならわかっていただけると思いました。このヤシ酒は四万十川を意識して造りました。海原雄山には到底わからないでしょう」

突如として海原雄山が登場。

「士郎、話は聞いた。青森。青い森。なんと美しい名前ではないか。これだけ美しい名前の県は他にないだろう。山の幸、海の幸が豊かな青森県こそ、本当の「美しい国」とはどんなものかを日本人に教えてくれる県なのだ」
(↑ オッサン、そこは愛知県やで)

海原雄山はヤシ酒を飲むが、それをはき出す。「これはただのションベンだ。海原雄山と知ってのことか!シェフを出せ」とわめく。山岡は「ふふふ、ヤシ酒の味がわからないとは海原雄山も耄碌したな」と言い、グラスを一気飲みするが、そのまま倒れてしまう。

何故かというと、ヤシ酒を造っていた職人が転んでヤシ酒をこぼしてしまい、その分を自分のションベンで埋め合わせていたからだ。

お後がよろしいようで・・・・

注記

この話は全編、冗談ですので決して真面目に受け止めないでください。

訂正

文章の書き方に誤解を生む点がありました。開高健氏をかこむ企画を担当したのは同僚のI氏であり、私にも夜の接待に出ないかという誘いがあっただけで、けっして開高健氏と私がサシで飲食する場があったという意味ではありません。