リアリズムのあり方
2010.09.20
私の町には数年前までユニク
ロの大きな店舗があったのだが不採算ということであっけなく閉鎖されてしまった。それ以来、私の町では「ブランドものファッション」が手に入らなくなって
しまった。そう、バブルの爪痕は実に大きいのである。その大店舗の後に入ったのは薬局チェーンで、薬局はもうかるらしく次々にできた。老人が多いからね。
それは良いのだが薬局の競争が激しくなったのか最近は首をかしげる事件が多い。
あるショッピング・モール内の薬局はイラストが得意なのか
以前からギックリ腰になった男性の等身大イラストを店舗入り口にかかげていた。それは問題なかったが、最近はお通じを良くすることに凝っているようで「快
便、スッキリ」というタイトルで大きなババがトグロを巻いてるイラストを貼りだした。よく見ると湯気も立っており、その質量感と言い何というかリアリズム
の極致なのだ。
そのイラスト自体は悪趣味ですむのだが、可哀想なのは薬局のすぐ隣にあるパン屋さんである。絶対、売り上げに響いていると
思うのだがこのパン屋さんも不況のせいか、ほとんど客がおらず、パン屋さんも投げやりにロール・パンを焼いているのだ。しかし、このパン屋さんはとことん
呪われており、正面も別の薬局で老人用オムツなどを積み上げたりタムシや疥癬の写真などを置いており、よくあのパン屋さんは我慢してるなと感心する。実は
その前に入っていたパン屋さんはフランス人職人が焼いてるというバブリーなものだったが、さっさと見切りをつけてよそに移ってしまった。
数
年前、このショッピング・モールの駐車場で理由は不明だが走りながら携帯電話に向かい、「馬鹿!資金を引き揚げろ。いいから引き上げるんだ!」と怒鳴って
る男性がいた。周りに私も含めかなりの人がいたのだが、全くおかまいなしである。これもリアリズムと言えばリアリズムだが、私は小さく「リアリズムにはも
う飽きた」とつぶやくのだった。
そして今はパン屋さんも薬局も全部、潰れ、空き店舗だらけになった。この話には救いが無いな・・・・