郷原信朗氏の意味をなさない言い訳
2010.09.23

まず、郷原氏は日本の検察はアメリカの検察を見習えと主張されていたわけです。

引用

http://twitter.com/nobuogohara

書 き間違いです。公選されるのは日本の検事正にあたる「地方検事」です。RT @tomatsudaira アメリカでは公選されるのは一部の州の司法長官(直訳すれば検事総長)と地方検事(DA)だと思います。連邦検事については任期制で、大統領が指名し、上 院の同意を得て任命する仕組みに
約10時間前 webから .

米国では、連邦検事(日本で言えば検事正にあたる人)が公選さ れます。く説明責任を負っていない検察の現状を変えるためには有効だと思います。検討する価値はあると思います。 RT @dugongjazz 米国のような検察官を選挙で任命する制度など日本に導入することにどう考えますか?
約11時間前 webから .

日本ではそ れは裁判所の役割とされているわけです(最終的には無罪判決、不当勾留の上起訴であれば勾留取消も)。米国の起訴陪審のようにそれを市民に判断させる制度 もあります RT @ashura820 検察審査会には「起訴不当」という議決権はあるのでしょうか?なかったらこの制度はおかしい
約12時間前 webから

引用終わり

上記の郷原氏の主張を読んだ普通の日本人はアメリカの検察制度は優れていると思うでしょう。ところが、そうではないのです。

引用(これは日付は違いますが、日本時間に換算すれば今日の記事です)

http://www.usatoday.com/news/washington/judicial/2010-09-22-federal-
prosecutors-reform_N.htm?csp=34news

記事を要約し箇条書きにする。

1.ニーノ・ライアンという男(黒人のように見える)が3年間、麻薬売買で服役した
2.検事は立件前に事件に関する証人の意見を集めた
3.全ての者がニーノからコカインを買ったと主張した
4.中にはニーノから麻薬元締めの殺害依頼を受けたと主張した者もいた
5.だが、この検事はニーノの犯罪に関して「有利な証言」をしたら証人を刑務所から出すという司法取引をもちかけていた
6.現在、ニーノ・ライアンの件で担当検事が取り調べを受けている

引用終わり

このmisconductを行ったと疑われているのは連邦検事です。すでに郷原信郎氏の主張と食い違いが起きています。

では、こうした検察検事による不法行為(misconduct)はどれくらいの頻度でおきているのか?

上記USATodayURLから

引用

How often prosecutors deliberately violate the rules is impossible to know. The Justice Department's internal ethics watchdog, the Office of Professional Responsibility, insists it happens rarely. It reported that it completed more than 750 investigations over the past decade, and found intentional violations in just 68.

引用終わり

アメリカ司法省が行った調査によると疑わしい750件に対し調査を行い、68件の検察の意図的違反を見つけたそうです。これは日本の冤罪率よりはるかに悪いでしょう?

引用

http://twitter.com/nobuogohara

(続 き)立件・逮捕・起訴・公判すべてに検察が責任を持つ検察独自捜査だからこそ、今回のような行為を行う動機があるのであり、警察に第一次的責任がある一般 の刑事事件においては起こり得ないと思います。その点が理解されることが、刑事司法全体に問題が拡散しないようにするために有効だと思います
1分未満前 webから

引用終わり

関係ないでしょう。郷原さんは英語記事を読めないんですか?ニーノ・ライアンの事件を手がけたのはアメリカの特捜部(あるいはそれに該当する組織)ではないですよ?ただの連邦検事ですよ?

引用

個 人の責任に矮小化すべきではありません。検察組織の問題ととらえ、これまで特捜検察がやってきたことを全面的に検証すべきだと思います RT @uragamitadashi 村木元局長の事件に関し、検察が控訴を断念した場合、本件を上訴した検察側の責任は一体誰が、どう取るのでしょうか。

引用終わり

しかし、郷原さんが絶賛してきたアメリカの検察は個人の問題だと言ってますが(笑)。

引用

Hinshelwood's former boss, Paul Perez, became U.S. attorney in Tampa in 2002, shortly after Lyons' trial ended. When the case against Lyons fell apart, it was his job to figure out why.

Perez said in an interview that he personally never doubted that Lyons was guilty. He said the problems came down to inattention: Hinshelwood was "an experienced but very lazy prosecutor," but didn't break the rules on purpose. He was, Perez said, "real sloppy and lazy."

引用終わり

このポール・ペレス氏の主張を見る限り、ニーノ・ライアン氏が有罪になったのは担当検事が「だらしない怠け者」ということで終わっていますが(笑)。

最後にまたUSATodayから。

引用

State records, however, offer a glimpse into what can go wrong. Three years ago, two federal prosecutors in Illinois, each with more than a decade of experience, were ordered to answer to the state Attorney Registration and Disciplinary Commission for problems that almost torpedoed a drug case. The lawyers failed to turn over information to defense attorneys that could have discredited a key witness. That tactic, the U.S. Court of Appeals for the 7th Circuit concluded, was "designed to deliberately mislead the court and defense counsel."

Both prosecutors told authorities that they knew the rules, and both admitted that they didn't turn over the evidence。

引用終わり

上の文章を読むと、アメリカの二人の連邦検察官は意図的に証拠を開示しなかったのに、何ら罰則を受けていませんが・・・ 何故、フロッピーを改ざんした検事がいたから特捜部を解体する必要があるのですか?

郷原信郎さんのナイーブなアメリカ検察制度礼賛と上記、USATodayの記事は全く矛盾しているんですが。

私のような法律の素人とは違う、元検事、現在の弁護士としての論理的整合性のある主張をしていただけないでしょうか?

つまり郷原信郎氏の主張は日本の検察はダメだが欧米の検察はもっとダメだとなるべきです。