バンダナの意外な効果
2010.09.26

朝日新聞の悪口ばかり書いているが、朝日新聞出版局(私がいた頃はまだ本社内の組織だった)から出た開高健さんの「オーパ」シリーズを愛読したのも事実だ。実際、全部買ったと思う。出版局の友人にただでくれと言ったのだが、この本は豪華本だからダメと言われたのだ。

こ の頃の開高さんはバンダナを頭に巻いていた。オッサン、なかなか洒落てるやないかと思った私は幾つかのお店を周り、美しいアラベスクのバンダナを数枚買っ た。私はアラベスクが好きなのだ。名古屋に住んでた頃は時々、奇異の目で見られるくらいですんだのだが田舎に戻ってからトラブルがおきた。私の住んでいる ところは本当に田舎であり、時々、町はずれで車にひかれたタヌキの死骸が見つかったというニュースが地元紙に載っていたりする。タヌキに加え、クマ注意報 もよく出る。尖閣諸島も危機状態だが、私の田舎も危ないのだ。全て中国の陰謀であることは言うまでもない(笑)。

ある日、町内をバンダナ を巻いて歩いていたら、老女に呼び止められた。「オマエさんはどうして頭巾をしてるのじゃ?」と彼女は聞いた。どうも私のバンダナは防空頭巾のように見え たらしい。その原因が田舎の風習なのか私のファッション・センスなのかは未だに不明だ。ともかく、その事件以来、私はバンダナを巻いて外出するのを止め た。

ところで何回も言ってるが私はサンタナのファンである。70年代のサンタナを見ると、まだウッスラと毛が残っているのがわかる。とこ ろが80年代以降のサンタナの映像を見ると必ずバンダナをしている。90年代中期以降のサンタナは必ず、帽子をかぶっている。理由は言うまでもないが、 「哀愁のヨーロッパ」ならぬ「哀愁の毛髪後退現象」である。つまり、ある種のダンディズムは実はただのハゲ隠しだったのだ。

この点で今、 気になるのは日本人ギタリスト・歌手のチャーである。最近のチャーはいつも帽子を被っている。チャーの演奏も人柄も好きな私としては「うーん、チャーも歳 をとったな」と考えるのだ。で、54歳の私はどうかというと意外な事にまだハゲてはいない。これは全てミノキシジルという化学成分のお陰である。私は90 年代にすでにミノキシジルの効果に気が付き、海外とファクシミリのやりとりをして通販で買っていた。日本でも同じ成分をふくむ薬が出ているが、その値段の 1/4程度でずっと入手してきた。まだ分けようと思えば7:3に分けるだけの髪があるのだから事実、効果はあった。

という訳で、最近の私は動画サイトでバンダナや帽子を見るたびに考え込んでしまうのだった(笑)。

ピース&ラブ