レントゲンは本当に必要か?
2010.09.28

(2005年に書いた文章に加筆しました)

引用

胸部X線:健康診断で廃止検討、有効性に疑問 厚労省

胸 の病気の早期発見を名目に毎年1回、職場の健康診断で実施されている胸のエックス線検査について、厚生労働省は法的義務付け廃止の検討に入った。検査の有 効性を示す証拠がないためだ。すでに専門家による検討会(座長・工藤翔二日本医大教授)を設置しており、結論次第で来年度にも廃止する。しかし廃止で 1000億円規模の影響が出るとみられる業界は、検討会で「有効だとの証拠はないが、有効でないとの立証もない」と猛反発。日本医師会の委員も同調してお り、最終調整は難航しそうだ。(後略)

毎日新聞 2005年7月17日 3時00分

引用終わり

1週間ほど前に上のニュースを見て私は愕然とした。記事を読んでもらえばわかるが胸部エックス線検査が廃止されるかもしれないというものだ。何故、私がこのニュースに複雑な感情を抱くのか説明したい。

大 学生の頃、医療技術短期大学(看護婦養成学校)の女性達と話をする機会があった。私は看護婦はもうかるかと聞いた。彼女たちは「仕事はきついけど手当は良 い」と言う。特にX線手当がたんまり出ると言う。これはX線検査で写真を1枚撮る毎に支払われるもので、正確な金額は忘れたが1日に換算すると相当な金額 だった。看護婦だけでなくX線技師にも支払われるのだが、何故それほどの手当を支給するのか?常識で考えればX線検査は相当に危険であり、直接にX線を浴 びない技師や看護婦にも危険の代償として手当が支払われているとしか考えられなかった。

それ以来、私はX線検査を拒否した。サラリーマン時代、みんなが受ける中で自分だけ受けないと主張した。人事に「協調性なし」と査定されたかも知れない。

い や、昨年も事件があったのだ。珍しく役所の実施する健康診断を受ける気になった私は役場の窓口で手続きをしていた。その診断項目の中に胸部X線があった。 私はタバコを吸わないからこの検査を抜いてくれと言うと役人は規則だからそれは出来ないという。30分近く、押し問答をして結局、検査の当日に病院担当医 師の判断にまかせるということになった。だが、病院でパンツ1枚に成った後で「X線は受けません」と言っても逃げようがない。私は結局、健康診断を受けな かった。結果、25年以上レントゲン検査を受けていない。

私は簡単な計算をしたが、ずっと検査を受けると20年間で癌を発病するリスクが 最大1%増す。他の事なら1%かですまされるが自分の命の1%となると話は別である。いや私は良いのだ、自分の判断で断固として胸部X線を拒んできたか ら。だが厚生省の規定通り年1回、胸部X線検査を受けてきた人は大変なリスクを抱え込んだことになるかも知れない。

大体、私は昔から肺癌 の原因を疑っていた。喫煙者でもなく家族に喫煙者がいない(受動喫煙者)でも無いのに肺癌を発病する人がわずかでもいるのは変だと思ったからだ。そうした 人たちの幾分かは実は健康診断の結果として肺癌になったのではないかと疑っている。X線技師の死因No.1や平均寿命を検索して調べていただきたい。なる ほど、手当が出る訳だと納得すると思う。

正直、私は社民党系の人たちの悪いことは何でも国の責任として訴訟をおこし賠償を求める姿勢が嫌いだ。だが今回のような事件を見ると官僚体質の問題も日本を深く蝕んでると思う。なお毎日新聞の報道が正しかったかは未だに不明だ。

人間ドックがレントゲン検査を必ず含んでいるために私は自分の血圧も血糖値も全く知らない。そこらは知りたいんだが。ただ知らなくても現状、生活に支障が無いのも事実だ。