モンゴ・サンタマリア物語
2010.10.01

モンゴ・サンタマリアという有名な キューバ出身コンガ奏者兼バンドリーダーはみなさんご存知だろう。ところでこの人の本名はラモン・サンタマリアだというのはご存知だろうか?モンゴという のは愛称なのだ。スペイン語辞書にもないから恐らくスラング、それもアフリカ系のものと思われる。ところでコンゴにスウェデ・スウェデという伝統音楽 (フォルクローレと呼ばれる)集団があり彼らが演奏するリズムはモンゴと呼ばれている。さてどう解釈すべきか?

キューバのある町にとてもコンガの上手な少年がいた。彼が街角でコンガの練習をしていると通り掛かりの男が声をかけた。

「よう、ボウヤ。ずいぶんコンガがうまいな」
「ありがとう。僕の父さんが教えてくれたんだ。父さんはコンゴ出身で色んなリズムを知ってるんだ」
「何か聞かせてくれよ」
「ああ、いいよ」
そして少年はあるリズムを叩き出した。
「おもしろいリズムだな。何て言うんだい?」
「これはモンゴといってとてもディープなリズムなんだ」

や がてコンガの上手なラモン少年が叩くモンゴ・リズムは街中の人気を集め、ラモン少年はいつしかモンゴという愛称で呼ばれるようになった。やがて少年はプロ としてアメリカに渡り自分のバンドを持ち録音するまでに成長した。だがピアノ奏者が次々に変わるのが頭痛の種だった。サルサのピアノ演奏はただの肉体労働 だからね。

ある日モンゴはとあるジャズクラブでブラジル人らしき男がとてもリズム感の良いピアノを弾くのを聞いた。演奏がはねた後モンゴは男を呼んだ。

「キミ、ブラジル人なのにずいぶんサルサがうまいじゃないか?」
モンゴの問いかけにそのブラジル人は緊張しながら答えた。

「私はブラジルといってもアマゾンの奥地、ペルーとの国境に近いところで生まれたので小さい頃からサルサを聞いてました」

「そうか、ところで今ワシのバンドにいいピアニストが欲しいと思ってるんだが、キミやってくれんか」

「ギャラはもらえるんですか?」

「ギャラは、キミの腕次第、客が入れば払うぞ。今のピアノは今週でクビにするから、キミ来週から頼む。わかったな」

御 大はそう言い電話番号をかいたメモを残し去っていった。そのブラジル人は不安な気持ちを押さえるようにラム酒をグイと飲み干した。ともかく金になる仕事が みつかったのだ。喜ぶべきだろうとそのピアニストは考えた。その人、ジョアン・ドナートが後にボサノバを代表する名ピアニストになるとはその時点では誰も 知らなかった。

参考

引用

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数多くのグループが乱立した中で、コンフント編成をのグループを最初に結成したアルセニオ・ロドリゲスは、コンゴのリズムから編み出したディアブロ(diablo)リズムで、マンボの到来を予期するかのような演奏をしていました。 ...
www.purelistener.com/j/music/cuba-2.html - キャッシュ

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本作はキューバの至宝、盲目のアルセニオ・ロドリゲスが楽器トレースを奏でながら唄うラテン音楽の名盤と言われるアルバムです。 ... この言葉は彼が曾祖父から受け継いだコンゴの言葉で「ごちゃ混ぜ」を意味します。キューバ音楽はアフリカの伝統と ...
www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd... - キャッシュ

引用終わり