郵便制度を最も悪用したのは新聞である
2010.10.03

恐らく、これまで誰も書かなかった日本の新聞暗黒史である(笑)。最も、三橋貴明氏がお忙しい時に、臨時代行として寄贈した文章にも書いてある。これはもう寄贈したので私は関係ない。興味ある方は検索して探して下さい。

日 本の新聞暗黒史はすでに色々あるのだが、全て記事・編集内容か販売店戦略(押し紙)に関するものだった。広告部門における「黒い部分」はけっして表に出な かった。それは広告が新聞の生き残りに関わる問題だからだ。つまり重要な部分だから表に出なかったのだ。これもまた新聞社の談合・隠蔽体質の表れなのだ が・・・・

まず1つ誤解を解かねばならない。新聞社の収入の内、販売収入はグロスで計上されている、広告はネットで計上されている。それが何を意味するかは三橋氏のブログで詳しく書いたので、ここでは繰り返さない。

この事実を認識している新聞記者は少ない。私が朝日にいた頃はゼロに近かった。広告内部ですら知らない人がいた。

まず個人的体験を話すところから始めよう。ずっと言っているように個人が新聞やTVに文章で勝つにはプライバシーの切り売りしかないというのが私の考えだからだ。

あれは80年代後半だった。ある日、広告外務を集めた会議が開かれた。広告外務というのはただの広告営業である。朝日新聞社内では外務と呼んでいたというだけだ。この会議を主催したのは五味秀雄広告次長だった。五味氏は以下のような説明を行った。

「東 京や大阪本社を中心に不動産広告の申し込みがたくさんある。これまでは別刷りで対応してきた。だが、そろそろ限界だ。会社としては広告比率が50%をこえ ても良いのだが、公職選挙法の規定により広告比率が50%をこえると選挙報道ができない。おまえら、何か良いアイディアを出せ」と五味氏は言った。

まず公職選挙法を引用しようと思って検索したら自分の書いた文章がトップに出てきた。多くの人が書かれているが検索して自分の書いた文章がトップに出ることほど残念なことは無い。

http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/29895687.html

若干、危ないことも書いているが、基本的な部分は押さえている。ここには幾つか疑問がある。

1. 新聞社の紙面にしめる広告の割合を計算する時に、広告別刷りをカウントしないというのは新聞社の「オレ様ルール」の押しつけではないか?現実の広告の現場 では、広告紙面が50%を大きく超えるから別刷りを発行しよう、本紙と違い別刷りは注目度が落ちるので料金を安くしよう、広告主には事情を説明することで 納得してもらおう、まあ、こうした流れで広告別刷りが発行されたのだ。結局、郵政省(当時)が新聞社に強引に押し切られ、別刷りは広告比率カウントに含め ないという「慣習」ができた。

2.ところがバブル後期においては別刷りを刷っても、全てを掲載できないほどの不動産を中心とした広告申し込みがあった。そうした背景をもとに上に書いたような広告外務会議が主催された訳だ。

3.ところが、新聞の別刷りを除く本紙での広告比率は東京本社では日常的に50%を超えていた。それで何故、第3種郵便物認可が下りたのか、元新聞社広告営業である私にも理解できない。これは恐らく、政治的圧力を誰かさんがかけたのだろう。

上に書いたことは嘘でも誇張でもない。東京にお住まいのかたは別刷りまで保存しているような大きな図書館に行き、書庫に保存されている80年代末期の新聞紙面を見ていただきたい。

恐 らく、郵便制度悪用という意味では、新聞社による第3種郵便物制度悪用が戦後で最も悪質だろう。そういう悪質な行為を何十年と続けてきた組織が障害者郵便事件 で検察を叩く、これはひどいダブル・スタンダード(二重基準)だ。国民の無知につけこんでいるのだ。現に私が何度、第3種郵便物問題を取り上げても、全て のメディアが無視している。

新聞は談合する腐敗した権力であるという私の主張がご理解いただけただろうか?