二重基準な人たち
2010.10.04
記者クラブ廃止を強く求めている人たちがいます。私がずっと不思議に思っていたのは、そうした人たちが本当に規制されない情報、情報アクセスを求めているなら何故、TVや新聞に出るんだろうという点です。
TV
や新聞というのはまさに記者クラブのお陰で情報独占を行い持ってる存在なんですが。もし本当に記者クラブ廃止による規制されない情報/情報アクセスを求めているなら、当然、TV
にも新聞や雑誌にも出ないはずです。何故なら、今はネット上で訴えることが可能だからです。とりあえず名前を出しましょう。
引用
記者会見・記者室の完全開放を求めるアピール
日
本で今、記者会見の開放が大きな問題となっています。「報道の自由」「知る権利」の観点から考えれば、記者会見は本来、新聞社やテレビ局に所属する記者だ
けでなく、雑誌社やインターネットメディアに所属する記者、フリーランスなど、幅広い記者が参加し、自由に質問できる公の場であるはずです。
(中略)
し
かしながら、こうした動きはまだ、ごく一部にとどまっています。「記者クラブに加盟していない」という理由だけで、外国メディアや雑誌社、インターネット
メディア、フリーランスの記者、非営利で情報発信を行っている団体・個人などは、依然、記者会見への参加や自由な質問が困難な状況に置かれています。さら
に記者室の自由利用や報道資料の提供、裁判取材における記者席確保、各種の「懇談」など、数々の取材機会も手にすることができないままです。日本新聞協会
も2006年に公表した「記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解」において、記者会見と記者室は、クラブ員以外に広く開放すべきとの見解を示し
ていますが、実行されているとは言い難いのが現状です。
私たちは、大手新聞社やテレビ局などの既存メディアと外国メディア、雑誌社、イ
ンターネットメディア、フリーランスの記者、非営利で情報発信を行っている団体・個人などが、平等な立場で自由に取材・報道を繰り広げ、切磋琢磨を続ける
ことこそが、「知る権利」「報道の自由」の真の意味での実践であり、日本の報道の質を高め、言論の自由と民主主義社会の発展につながると確信しています。
(後略)
2010年4月
記者会見・記者室の完全開放を求める会(会見開放を求める会)
呼び掛け人一同
代表世話人 野中章弘
呼び掛け人 (あいうえお順)
青木 理 (ジャーナリスト)
浅野健一 (同志社大学教授)
梓澤和幸 (弁護士/「News for the People in Japan」代表)
阿部重夫 (総合情報誌「FACTA」編集長)
雨宮処凛 (作家/「反貧困ネットワーク」副代表)
岩上安身 (ジャーナリスト)
岩崎貞明 (メディア総合研究所事務局長/「放送レポート」編集長)
上杉 隆 (ジャーナリスト)
魚住 昭 (ジャーナリスト)
宇都宮健児(日本弁護士連合会会長)
江川紹子 (ジャーナリスト)
岡本 厚 (岩波書店「世界」編集長)
小黒 純 (龍谷大学准教授)
桂 敬一 (立正大学社会学科講師)
鎌仲ひとみ(映像作家)
北岡和義 (日本大学国際関係学部特任教授)
北村 肇 (「週刊金曜日」編集長)
黒薮哲哉 (フリージャーナリスト)
篠田博之 (月刊「創」編集長)
柴田鉄治 (元朝日新聞論説委員)
渋井哲也 (ジャーナリスト)
清水 勉 (弁護士)
清水英夫 (弁護士)
下村健一 (NPO「市民がつくるTVF」理事)
白石 草 (「Our Planet−TV」代表)
神保哲生 (ジャーナリスト/「ビデオニュース・ドットコム」代表)
鈴木 亮 ( A SEED JAPANメディアCSRプロジェクト)
高田昌幸 (ジャーナリスト)
高野 孟 (「THE JOURNAL」主幹)
田島泰彦 (上智大学教授)
田原総一朗(ジャーナリスト)
津田大介 (メディアジャーナリスト)
津田正夫 (立命館大学教授)
寺澤 有 (ジャーナリスト)
戸崎賢二 (放送を語る会)
西里扶甬子(フリージャーナリスト)
西中誠一郎(フリージャーナリスト)
野中章弘 (アジアプレス・インターナショナル代表)
畠山理仁 (フリーランスライター)
林 香里 (東京大学教授)
原 寿雄 (元共同通信編集主幹)
ピーター・バラカン (ブロード・キャスター)
日隅一雄 (弁護士/「News for the People in Japan」編集長)
広河隆一 (「DAYS JAPAN」編集長 )
藤倉善郎 (フリーライター)
藤田康雄 (講談社「G2」編集長)
藤森 研 (元朝日新聞編集委員)
牧野義司 (経済ジャーナリスト)
松田 浩 (放送評論家/元立命館大学教授)
丸山重威 (関東学院大学教授)
三宅勝久 (ジャーナリスト)
宮台真司 (社会学者/首都大学東京教授)
元木昌彦 (元「週刊現代」編集長)
森 摂 (雑誌「オルタナ」編集長)
森 達也 (映画監督/作家)
森広泰平 (アジア記者クラブ事務局長)
門奈直樹 (京都産業大学教授)
山口一臣 (「週刊朝日」編集長)
山田健太 (専修大学文学部准教授)
豊 秀一 (日本新聞労働組合連合委員長) 以上 60人
引用終わり
話は変わります。今も続いていますが、CNN, WSJ、AFP、ロイターなどの外国メディアが尖閣諸島問題で「中国と日本政府を批判する渋谷デモ」を大きく取り上げることで、日本の記者クラブ制度に大きな穴を開けました。
引用
http://getnews.jp/archives/79444
現在問題となっている尖閣諸島問題に対して渋谷で2600人がデモ行進を行ったのはご存じだろうか。このことは日本よりも海外のメディアが大々的に報じておりなんと日本の地上波テレビニュースやそのほかメディアでは全く取り上げられていない。
CNNのサイトでは「China accused of invading disputed islands」という見出しで取り上げており、写真も掲載されている。日本では希にない大規模デモ。最近では外国人参政権反対デモなどが記憶に新しいだろうか。
実際にGoogleで検索してみても出てくるのはブログばかりでマスコミは一切出てこない。デモ隊は「尖閣諸島は日本固有の領土です 中国の領海侵犯をゆるさない」や「中国の圧力恫喝に
屈した弱腰の民主党政府を許さない!」などと書かれたプラカードを手に持ち行進している。中には英文に訳された物まである。
今回のデモ行進はマスコミだけでなく民主党側も華麗にスルーしそうだ。
引用終わり
ところが上に挙げた「記者会見・記者室の完全開放を求める会」に署名した人達のTwitterを見ても、ほとんど触れていません。でも、これって記者クラブよりはるかに悪質な談合による報道規制なんですが。
ど
うして記者クラブを完全に解放しろと叫ぶ人たちは、ここまで露骨な日本マスゴミによる報道規制に対して、大声で抗議しないんでしょう?デモに意味があった
かどうかは、この場合は問題ではありません。WSJが日本でのデモをアジア版のトップで取り上げ、動画を公開し、サイトでの公開討論(BBS)を開催しているという事実を何故、日本マスゴミは報道しないのかです。恐らく、非常に悪質な談合による報道規制が存在するので
しょう。
それは明らかに記者クラブの閉鎖性の延長線上に位置づけられる報道規制です。
田
原総一郎、上杉隆、山口一臣、こうした方々は報道規制は好ましいものと考えているのですか?それとも記者クラブ廃止を訴える「隠れた別の動機」があるので
しょうか?少なくとも「記者会見・記者室の完全開放を求める会」に署名した人達は解答をする義務があると私は考えます。