遡及法を知らない人たち
2010.10.07

さて、過去に何回も書いたように今回もプライバシーの切り売りから始める。

ずっ と、このサイトの文章を読まれている方はご記憶かも知れないが、朝日記者による差別発言があった時、私は法務省人権課と2回、警察と1回、話をした。この 時に刑事さんが熱心にメモを取っていたが、障害者基本法に罰則規定が無い事に気が付いてからは、刑事事件ではなく、いかに個人として対応すべきかのアドバ イスに移ったことは既に書いた。

法務省と話をした時か警察の時か不明だが、私が「障害者基本法に罰則規定をつけるように国会議員に働きか けたい」と言ったところ、相手は「それは是非やってください。ただ、あなたの・・・」、ここまで聴いて相手が何を言いたいのかわかった私は「そうか、遡及 法になるのか」と言った。すると、こちらが法律用語を持ち出しのに驚いた相手が「そうです、遡及法は日本では禁止されてますから、例え障害者基本法に罰則 規定をつけるようにもちこんでもアナタの例はどうすることもできません」と指摘された。一応、事実である。コンゴ音楽演奏家でも遡及法くらいは知ってい る。

ところで今日、小沢一郎シンパ系のブログを見て回って気が付いたのだが、彼らは遡及法が日本で禁止されている、いや日本だけでなく世界のまともな国全てで禁止されている事をご存じないらしい。

引用

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E3%81%AE%E4%B8%8D%E9%81%A1%E5%8F%8A
 
日 本においても法の不遡及原則が採用されており、憲法、刑法、刑事訴訟法にそれぞれ規定がある。まず、日本国憲法第39条前段に規定されている。この規定を 受け、刑法6条に犯罪後の法律によって刑の変更があった場合、その軽い刑によって処罰するとの規定が設けられた。判決前に法改正によって刑が廃止された場 合には、免訴の言い渡しがされる(刑事訴訟法第337条第2号)。判決があった後に刑の廃止、変更または大赦があった場合には、それを理由として控訴申し 立てができる(刑事訴訟法第383条第2号)。また、再審事由ともなる(刑事訴訟法第435条)。

なお、日本法における判例は、法源とされない(異なる学説も存在)ため、判例変更による解釈の変更は、法の不遡及の問題でない。しかし、理論上、違法性の意識の可能性の欠如による故意の阻却の問題や期待可能性の欠如による責任阻却の問題を生じうる。

刑事訴訟法改正による、時効の延長・廃止の時効進行中の事件に対する適用が、日本国憲法第39条に違反する可能性が指摘されている。

引用終わり

具体例を1つ挙げよう。

引用

http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20101005/1286234124

2010-10-05
検察審査会メンバーの名前を公開し、国民の前に引きずり出せ。そして、国家反逆罪で、厳しく、その政治責任を徹底追求せよ。

日 本が世界に誇れる唯一の有能な政治家・小沢一郎の政治生命を奪おうとして、マスコミや検察、あるいはその背後にいる米国日本占領支配グループに洗脳され て、「起訴相当」と議決した「検察審査会」メンバーこそ、犯罪者である。ただちに11名全員の氏名を公表・公開すべきである。国家に甚大な損失と被害を与 えた犯罪は、万死に値する。彼等の平均年齢は、30歳前後とか。誰が彼等を選び、誰が彼等を洗脳したのか。それらも、速やかに、明らかにすべきである。
(後略)

引用終わり

は てな、日本の法律に国家反逆罪があったかな?寡聞にして私は聞いたことがない(笑)。山崎氏がご自身の意見を持たれるのは自由だが、そこで検察審査会法を 変えても、その内容が有効になるのは「改定検察審査会法」が発布されてからだ。つまり検察審査会制度を廃止しても、小沢一郎氏への強制起訴という決定は覆 らない。

さすがに郷原信郎氏は、こうした主張をされてないが、同時に「遡及法による小沢一郎擁護」の考え方を否定も批判もされていない。

法の不遡及というのは、それほど難解な概念なのだろうか?コンゴ音楽演奏家である私は頭をひねるのだった・・・