仕組み債と円高
2010.10.08

(この文章は間違っている可能性があります。著作権を放棄しますので、興味を持たれたかたはご自由に検証、批判を行ってください)

す でに日本人自身が過度の円高期待を持っているために、円買い・ドル売りのポジションを作る、それがまさに今の円高原因の一部であるという指摘をした。問題 は、日本人通貨トレーダーが持つ円高期待が正当かどうかである。正当でない場合、つまり過度の円高期待を持っている場合、円買いポジを持つことはただの投 機だ。

要するに日本人自身が今の円高を(部分的に)作っているという仮説を出したが、もう1つの要因を書くのを忘れていたので、とりあえず指摘してみたい。

それは何かというと日本の金融機関が保有する米国債を組み込んだ仕組み債である。まず仕組み債とは何か?

引用

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%95%E7%B5%84%E5%82%B5

仕 組債(しくみさい、structured bonds)とは、オプションやスワップなどのデリバティブ(金融派生商品)を組み込むことで、通常の債券のキャッシュフローとは異なるキャッシュ・フ ローを持つようにした債券である。仕組み債とも書く。1980年代半ばから普及し始めた。

「仕組債」は一般的な「債券」とは全く異なるも のであり、経済的な実態は「債券を担保にしたデリバティブ取引」である。仕組債は、発行者にとっては自身の調達コストがはっきりと投資家にわからないこ と、投資家にとっては通常の債券では得られないキャッシュフローが得られること[1]、販売会社にとっては販売手数料、デリバティブの提供者にとっては ヘッジポジションによるトレード収益のメリットがある。デメリットはその複雑さと、会計問題、そして流動性の低さ等が言われる。また「リスクとリターンが 著しく不均衡」な設定となっている商品が大半である。

なお、「リスクとリターンが不均衡」とは、「得られる利益に比べ、損失を被った場合の損失額は数倍になる」点と「損失を被った場合の平均損失額×損失発生確率>受取配当金」(=期待収支マイナス)となっている点の2つを指す。
 
引用終わり

リンク債とかEB債も仕組み債である。こうした仕組み債を組成するのはほとんどが欧米の証券会社/金融機関だ。

で、 ここでの問題は日本の金融機関の多くが米国債を組み込んだ仕組み債を保有しており、米国債が値下がりするとヘッジのドル買い、値上がりするとヘッジのドル 売りを行う点だ。そして、ここ半年ほど猛烈に米国債が買われたのは事実だ。とすると日本の通貨トレーダーだけでなく日本の金融機関も実は今の円高に貢献し たことになる。

そこでアメリカYahoo!ファイナンスで10年物米国債とドル円レートを比較してみた(期間は6ヶ月)。

Chart
(10年物米国債とドル円、6ヶ月比較チャート)

そ れほどはっきりと連動はしてないがトレンドは同じ方向を向いている。大体、米国債がそれほど買われたのは欧米の投資家などがリスク回避で買ったからで、今 のヘッジ・ファンドに意図的な円高をもたらす力があるのだろうかと私は疑問に思うのだ。何故なら、リスク回避での米国債買いと投機的な円買いはあきらかに 動きとして矛盾しているからだ。

輸出企業などの実需での取引が大きいから明確な相関性が出ないのかも知れない。

日本の金融機関や機関投資家が米国債を組み込んだ仕組み債をどれだけ持ってるのか私には全くわからないので全て「憶測」でしかない。

最初に書いたように著作権放棄してますから自由に検証してみてください。なお別にこのサイトのURLをはる必要はありません。ですが貼りたい人は貼ってもかまいません(笑)。