ヨカンベ主義の台頭と衰退
2010.10.18

今回は民明書房から新たに出版された「ヨカンベ主義の台頭と衰退」という本から抜粋して紹介したい。


パトリース・ヨカンベ(Patrice Yokambe)がコンゴの大統領になったのは1955年である。彼はコンゴの国会演説で以下の主張を展開した。

1.自分に優しく他人に厳しく
2.全ての悪弊は前政権の悪しき遺産である
3.政治においてはどのような嘘も許される
4.マスコミを飼い慣らすことが重要だ
5.全ての責任は我々を与党に選んだ国民にある

ヨカンベの演説は2時間にも及んだ。演説が終わると与党民族独立社会主義会議の議員は立ち上がり「ヨカンベ、ヨカンベ!」と30分以上にわたり叫んだ。ヨカンベの支配は10数年続いたが、1972年の軍事クーデターによりヨカンベは隣国アンゴラへ亡命した。

アフリカでは一端、収束したヨカンベ主義が復活したのは東アジアの某国であった。名目的な首相はKan Cakucigoであったが実質的な権力を握っていたのはAwa Sengo Kuであった。当時の閣議の記録を見ると随所にヨカンベ主義の影響を見ることができる。

「愚民どもにビデオを公開せんでもヨカンベ?」
「ヨカンベ、ヨカンベ!」
(後略)

「支持率が落ちてもマスゴミを押さえてるから何もせんでもヨカンベ?」
「ヨカンベ、ヨカンベ!」
(後略)

「普天間が解決しないのは自民の負の遺産だから何もせんでもヨカンベ?」
「ヨカンベ、ヨカンベ!」
(後略)

「消費税を上げても子供手当を増額すれば愚民はだませるから税を上げてもヨカンベ?」
「ヨカンベ、ヨカンベ!」
(後略)

上 に挙げた閣議発言は明確にヨカンベ主義の影響と浸透を示している。だが、某国においてもコンゴ同様にクーデターがおき、首相と閣僚は中国に亡命した。亡命 後、彼らはプラスティネーション(注1)を施され南京虐殺記念館に今でも展示されている。東アジアでのヨカンベ主義は極めて短命に終わった。

注1: 生きた人体にプラスティックを流し込み標本にすること

一般的な傾向として、マス・メディアが偏向している場合にヨカンベ主義がはびこる事が指摘されている。政治的なヨカンベ主義を防ぐ為には、メディアの公正と国民の民度の向上が必要という指摘が識者により多くなされている。

南北アメリカにおけるヨカンベ主義に関しては民明書房全集「ヨカンベ主義の体系」第3巻(注2)に詳述されている。

注2: 民明書房全集 「ヨカンベ主義の体系」第3巻 

単行本: 548ページ
出版社: 株式会社民明書房
言語 日本語
ISBN-10: 4888882300
ISBN-13: 978-4888992293
発売日: 2008/04