広告割付とは何か?
2010.10.19

すでに何回も書いたが毎日新聞が最初の経営危機を迎えた時に電通から支援を受けた(事実)。その見返りに毎日は広告割付の権利を電通に譲渡したという業界の噂があった。これはあくまでも噂である事に注意していただきたい。

朝日新聞名古屋本社内部で行われた夏の高校野球優勝校を巡る社内賭博に関しては自分が体験したままを書いている。

毎 日新聞の場合、広告フロアに「遊び」で入ったことはあったが、紙面割付というのは新聞社の極秘であり、そう簡単に見ることはできない(笑)。通常、大きな 割付表が広告整理課に張り出されている。広告会社の媒体担当はこれを見て確認できたが、張り出されたのは公表してもかまわない分だけだ。広告割付台帳は決 して見せなかった。見ることができる者は限定されていた。これを管理する者が広告割付主任である。そして私の最終職歴は朝日新聞名古屋本社広告局広告整理 課広告割付主任である。従って、新聞広告に関する限り記者や業界筋の報道より私の文章のほうが実態に近いだろう。

実名を出してしまえば(笑)、大広案内の今*さんとか広告社の加*さんとかは野球賭博も毎日の件も知っていた。もちろん他にもソースはある。

案 内広告課にいた時は課長の命令で1行2千円の求人広告をとるために毎日、飛び込み営業をやり、どこを訪問したかの報告書を出していた。これは「新人研修」 としては度を超していた。さすがに案内広告代理店の連中が同情してくれた。朝日新聞案内広告課において過去に例の無い「行為」だったからだ。給料は良かっ たから文句を言う気は無い。ただ馬鹿げていた。

毎日新聞に関する業界の噂は噂として、これまで広告割付とは何かを説明するのを忘れていた。記者も含め、新聞広告業界以外の人には何のことかわからないかも知れない。割付の手順とは

1.広告会社は新聞社に対し広告申込書という伝票を出す
2.最も仮押さえという形で伝票抜きで紙面取りをすることもあった(当然、ペナルティーがある)
3.新聞において最も見られた面はラテ面(ラジオ・テレビ面)下である。その後、ラジオ面は別頁に移る
4.新聞社の広告割付には形式がある
5.1面から3面まで、場合によっては5面までは書籍広告を入れることが多い
6.一番、見られない面は全面広告対向である(右も左も1ページ広告という意味)
7.日付指定は建前としては追加料金が必要だった

大雑把に言えば、広告をどの日のどの面に入れるのかを広告会社の媒体担当と交渉し決めるのが広告割付である。他にも編集が急に当日になって記事を増やすから広告を外せと言い出す事もある。こちらの折衝もやる。詳しく解説するときりがないのでこれで終わる。

もし業界の噂が正しければ、毎日新聞の場合、以下のように実行されていた:

1.全ての広告申し込みを集める
2.電通が自分たちが集めた広告を優先して割り付ける
3.残った部分や微調整を毎日新聞広告割付主任が行う

上のような行為があったという。あくまで「噂」であり私が自分の眼で確認した訳ではない。現時点で、この「噂」を書いているのは私だけのようだ。毎日新聞を辞めた元常務のかたも「この点」には触れてないようだ。理由は不明だ(笑)。