凶悪犯罪は本当に増えているのか?
2010.10.24
結論を先に言ってしまえば凶悪犯罪はむしろ減っている。増えているのは凶悪犯罪報道だ。そうした犯罪は過去にももちろんあったのだが地方版扱いですますことが多かった。ところが今は長野県の山奥の事件すら全国報道をする。その理由を考えてみたい。
引用
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/day-20080329.html
最近、屑メディアが懸命に「日本は犯罪大国だ!」「日本の治安は世界最悪だ!」「日本は凶悪犯罪が増加した最悪な社会だ!」系の主張を展開ししていますが、これは嘘です。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_03.html#hanzaitoukei
ご
覧頂いたとおり、平成15年から平成19年に掛けて、刑法犯総数や凶悪犯の統計において、認知件数が明確に減少していっています。つまり、日本国民が犯罪
と認知する件数が減り続けているわけで、こういうデータがありながら「日本は犯罪が増加している」と主張する人は、無知か、莫迦か、何らかの政治的な意図
があり、日本を貶めたいのかのいずれかです。正直、日本の犯罪件数が減少しているのがあまりにも一目瞭然なので、メディアで「日本は犯罪国家」と吼えてい
る人は、きっと日本語が分からないか、数字の意味も分からない可哀想な人なのだと思います。
引用終わり
三橋氏は私と考え方が一番、近い。Yahoo!ブログの頃はたくさん書き込みをした。選挙結果は残念だったが捲土重来を期待したい。なお私は約束した通り、三橋さんに投票した。
話がそれたが、凶悪犯罪は本当に増えているのかに関しても早い時期に指摘をされている。三橋さんと同じ切り口では面白くないので、この文章ではメディア論の観点から解説を試みる。
例
によってプライバシーの切り売りである。私が新聞社の広告営業をやっている時、記事も全紙読んだ。何故かというと広告主の多くは記者が属する編集と広告営
業が属する広告が普通の会社のように人事異動をしていると考えていたからだ。当然、記事を持ち出して解説をしろという人もいる訳で広告営業といえども記事
を読まざるをえなかった。実際に私の広告同期入社のうち二人は編集に移ったから、広告主の無知や誤解という訳でもない。なお不祥事の結果として広告に居ら
れなくなり編集に移る人もいた。必ずしも広告から編集へ人事異動が「出世」ではない。
その頃の地方版の豆記事でそうした凶悪あるいは猟奇的犯罪が多く取り上げられていた。これは2つ理由があったと思う:
1.そうした地方限定での犯罪を全国報道する意味が無かった
2.そうした犯罪は社会の公序良俗に反したものが多く、新聞社もあえて小さく扱うという良識を持っていた
三
橋さんが指摘されている通り、警察統計では凶悪犯罪は減少している。ということは新聞やTVは過去(1980年代)は地方版ですました記事を今は全国版で
流す何らかの理由があることになる。「凶悪あるいは猟奇犯罪報道」が増えているために「日本社会の劣化」が進んでいるという誤解を老人を中心に生ん
でいる。
ここで日本の報道は事実を知らせるためにあるのでは無い、むしろ「重要な事実」を隠すために紙面を記事で埋めているのだという私
の過去の指摘を想起されたい。とすると、メディアは何か隠したい事があるらしい。1つは明らかにメディア自身の不祥事である。偏向報道、押し紙(業界用語
では予備死、いや予備紙と呼ばれる)、D2がらみのあれこれ、毎日WaiWai、朝日差別発言などいくらでも挙げることができる。一方では外国勢力と結び
ついた圧力団体への「配慮」があるようだ。
つまりバブル崩壊後の日本社会では「大きな真実」を報道することがメディアの不利益になった。ところがそうした大きな事実を避けると紙面のインパクトが落ちる。それを補うために針小棒大な報道がなされるようになったと私は考える。
結
局、自分たちの不都合があり「大きな真実」を隠したいのだ。それには凶悪犯罪とか2ch(笑)が必要だ。新聞購読者は高齢化しているからネットの恐怖を煽
ることは非常に有効だ。だから昔なら地方版ですました犯罪や2chの馬鹿ユーザーによる「犯罪予告」をこれでもかと全国報道をする。しかし三橋さんが指摘
されているように警察統計は正反対の事実を示唆している。
どちらを信じるべきかは言うまでも無いだろう。