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オプション市場の主役 2010.12.26
先日、インベストペディアというサイトの文章を色々読んでいたらクイズが出てきた。
http://www.investopedia.com/
そ
れはあなたはどういう時にFXで損をするかというクイズだった。私はすぐに答えがわかったので回答を見てみたら予想と全く違った。彼らの説明によると、
FX取引は2つの通貨ペアからなり、どちらかの通貨が強くなる方にかける。例えばドル円で円が強くなる方向にかけたポジを作り、現実にはドルが強くなった
時に損をするというものだった。
では私はどういう答えを想定していたか?ポジションを持つから損をするである。FXに限らず、ポジション
は作る時点ですでに損が出ている。まず証券会社への手数料、スリッページ、Bid/Askの差・・・ つまりポジを作成した時点で含み損が出ている訳で
す。ここで原資産がランダム・ウォークをすると考えた場合、必ず最初の含み損が実現損になる。
そうなのだ、ポジを持つから損をするのだ。胃潰瘍になるのだ。頭が禿げるのだ。ポジを持たなければ決して損をすることは無い。私はFXで損を出したことは一度もない。何故なら口座を作ったことがないからだ。何か血と涙、苦労がにじみ出た文章だ・・・
さて話をオプション市場に移そう。オプション市場における主役は誰か?これは言うまでもなく現物株を保有する機関投資家である。彼らにはオプションでポジを持たなければならない必然性があり、それに基づいて売買している。圧倒的な主役である。
次は誰かと言えばマーケット・メーカーだろう。彼らがオプションの流動性を供給する、特にPutサイドでの売り板を出すから機関投資家はPutを買うことができる。そして、売り板を出して手数料相当を受け取っているのだからMMも堅い商売だ。
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番目は裁定業者だろう。先物やオプションを使った合成先物と現物株の間に乖離が生じた時に、高い方を売り安い方を買う業者である。これは薄利だが堅い商売
だ。ところで裁定は誰がやってるのか、ずっと私は不思議に思っていたが、日本で最大規模の裁定業者はモルスタのようだ。GSと違い地味なことをやってるも
んだ。私は銀行系の証券会社だと思っていた。
残りは全て投機家である。何故、投機家か?オプションのポジを持たなければいけない理由が全く無いのに、あえてポジを作るのだから、投機家以外の何者でもない。
投機家が流動性を供給しているからウンタラ・カンタラとよく言ってる訳だが、問題なのは果たして投機家が投資家に勝つことが可能かどうかである。不可能と考えるならポジを持つべきでないだろう。これはオプションや先物に限らずFXでもそうだ。
こういう本音を誰も書かないのは残念な話だ・・・
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