何故、フィリピン音楽は失速したのか?
2011.01.02

ジェームズ・ブラウンについて書いたのでJB的なファンクをやろうとしたのだが、結局ただのディスコ曲になったDance Floorをアップ。フレーズがつきたために2分も立たずに終了(笑)。マイクを立てて歌うべきか、悩むところ。

私が高校生の頃、梅田のディスコに行くと生演奏をしてるのはみんなフィリピン人でした。実際、彼らはリズム感が良かったし演奏も破綻がなかった。当時、私はアジアを代表するポップスを生み出す国があるならフィリピンだろうと思ってました。

その後、80年代になってアフリカから帰る途中の飛行機でたまたま隣に座ったのが東京のフィリピン大使館のオバサン。私が「フィリピン人はリズム感が良いね」とほめると彼女は喜んで「フィリピンに来なさい。いくらでもうまい人がいるから」と自慢しました。

ところが2011年の時点で見るとフィリピンの音楽は全然、存在感が無いんですね。日本のポップスはYouTubeでたくさん流れているがフィリピンのポップスはほとんど無いし、たまにあってもオリジナリティーが無い。

日 本のポップスがマンガやアニメのおかげで過大評価されているのは事実として、何故フィリピンが70-80年代は上手に欧米ポップスの真似をやってたのに失 速をしたのかは興味深いものがあります。日本人演奏家がくそ真面目に練習をして追いついてしまったという部分があり、フィリピンが音楽において独自の感性 を示す音楽を確立できなかったのが大きいかなと思います。やはり民族独自の感性が反映されない音楽は聴いてて面白くないのです。

神保彰さ んというドラム奏者がYouTube上でたくさんの演奏を流しています。特にキューバ音楽で使用されるソン・クラーベとルンバ・クラーベの違いを実際にド ラム・セットを叩いて教えてる部分がすごい。リズムに切れがないのはちょっと残念だが(笑)、しかし日本人ドラマーがソン・クラーベとルンバ・クラーベの 違いを解説できるところまできたというのは1980年代から輸入物LPでキューバ音楽を聴いてきた私としては感慨深いものがあります。

ソン・クラーベとルンバ・クラーベ、そしてトゥンバオという概念は非常に面白いので後日、機会があれば説明を試みたいと思います。