報道されないロビー活動

アメリカにはブログを集めて1つのニュース系メディアにしているものがある。有名なものではHuffingtonpostがある。評論家上杉隆氏によると、今や新聞社のサイトを上回る影響力をもつサイトの1つだそうである。ソースを挙げておく。

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1008/27/news002.html

上 杉:今後は日本にも「ハフィントン・ポスト(The Huffington Post)」(政治ブログとしてスタートし、今や新聞社のWebサイトを上回る影響力を持つ)や「ポリティコ(Politico)」(ワシントンDCを拠 点にした政治専門メディア)のようなWebサイトができるといいですね。例えば掲載されている記事に対し、読者がお金を支払うシステムになれば、記者も活 性化されるのではないでしょうか

このハフィントン・ポストはどういうサイトなのか、英語ウイキペディアから引用してみる。

http://en.wikipedia.org/wiki/The_Huffington_Post

主要寄稿者を見るとバラック・オバマ米大統領、ヒラリー・クリントン国務長官、ナンシー・ペロシ下院議長などの民主党重鎮が含まれている。

これ自体は日本人である私たちが別に批判したり非難すべき事柄ではない。問題は日本企業であるソフトバンクがこのハフィントン・ポストに出資している点である。英語ウイキペディアから引用すると

「2006 年8月に、ハフィントン・ポストはソフトバンク・キャピタルが5百万ドルの投資をサイトに対し行うと発表した。ハッフィントンは1年足らずで大きく人気が 出たが、それをさらにのばすという。この出資計画にはハッフィントン・サイトを24時間更新する為の人員、サイト専任リポーター、映像報道を担当するマル チメディア・チームを雇用することが含まれていた」(原文は英語ウイキペディアを参照してください)

これは実質的なソフトバンクによるア メリカ民主党へのロビー活動だと私は考える。ロビー活動は何ら違法ではない。私がここで問題にしたいのは何故、一般日本人はこの日本企業による「ロビー活 動」を全く知らないのかである。それは結局のところ日本の新聞やTVが全く報道しないからだ。何故、報道しないのか理由は不明だ。もしソフトバンクが巨大 広告主であることが理由であるなら、新聞やTVにより日本国憲法が保障する国民の知る権利が大きく侵害されていることになる。

ソフトバンクとSoftBank Capitalの関係を見てみよう。ソフトバンクのサイトでは以下のように述べている。

http://www.softbank.co.jp/ja/info/business/group/

Softbank Capital Fund '10 L.P.: 事業内容 ベンチャーファンド
SOFTBANK Capital Technology Fund III L.P.: 事業内容 ベンチャーファンド
SOFTBANK Holdings Inc.:事業内容 持株会社
コーポレートサイト http://softbank.com/pages/home.shtml

ソフトバンク・グループの持株会社としてソフトバンク・ホールディングスがあり、その傘下にソフトバンク・キャピタルがあるのがわかる。

http://www.answers.com/topic/softbank-1

また上記英語サイトの情報でもSoftbank Capitalは100%ソフトバンクの子会社と書かれている。

孫正義氏/ソフトバンクは過去、オーマイニュースにも出資されておりニュースメディアにずっと関心を持たれていた。またアメリカ民主党系ニュース・サイトに出資し「ロビー活動」を行うことにも何ら違法性は無い。私は、こうした点を問題にしている訳ではない。

私 が問題だと思うのは、このソフトバンクにより行われているアメリカ民主党への私が考えるところの「ロビー活動」が日本メディアにより全く報道されない点で ある。私は新聞社の広告営業として10年、働いた。そして広告主/広告代理店の意向によりニュースがもみ消されるのを実際に体験した。もしソフトバンクが 巨大広告主であるが故に、アメリカ民主党へのロビー活動が報道されず、日本国民は重要な情報から遮断されているとすれば、これは日本国憲法が保障する国民 の知る権利の著しい侵害だと私は考える。

再度、繰り返すが孫正義氏あるいはソフトバンクという企業がアメリカ民主党系ニュース・サイトに 出資して私が考えるところの「ロビー活動」を行うこと、それ自体には何ら違法性/問題は無い。だがいわゆる「報道しない自由」により日本国民がそのロビー 活動を知ることができないのは憲法の保障する国民の知る権利の侵害だと考える。我々は日本メディアのあり方を根本的に見直す必要がある。

最後になるが

「このグループの出現は、非常に象徴的で、これまでは組織化された意見だけが強くアピールされ、また、マスコミによる国民の知る権利の事実上の統制御が行われていた」

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