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菅直人が殺した男達 2011.05.05
この文章のタイトルは何かの小説のようだが、書く内容はできるだけ客観的で冷静なものにした。何故なら、客観的に書くことで菅直人がどれだけの規模の「犯罪」を犯したかがより明らかになるからだ。
福
島を中心に東日本で巨大地震と津波がおきたのは2011年3月11日(金)午後14時46分だった。しばらくPCを離れて戻ってきたら日経平均が下がって
いた。そこではじめて地震がおきたのを知った。ただ、この時の下落幅は僅かだった。現物市場はすぐに閉まったが先物市場は開いていた。さらにイブニング・
セッションと呼ばれる夕方4時半から11時半での取引も可能だった。
この段階ですでに地震の規模と津波被害、そして原発関係の被害は想定されていたが、市場は非常に落ち着いていた。さすがに、イブニングでは売りがでたものの、それでも1万円台を保っていた。とりあえずデータとして下のサイトのものを参照する。
http://k-db.com/site/jikeiretsuI.aspx
私
の記憶が正しければイブニング・セッションで数回、1万割れがあったと思う。だが市場は落ち着いていた。それは復興にともなう財政支出がある事を予測した
からだ。イブニング・セッションが終わった後はシカゴ市場で取引されているCME先物に引き継がれたが、ここでも特に売られることはなかった。土曜日の
朝、おきて確認したがイブニング・セッションでの終値と大差なかった。つまり地震と津波に関する限り、日経平均300−500円程度の被害と見られていた。そして
地震と津波に関する限り、被害見積もりはそう外れてなかった。正直、私は現状の2倍程度の死傷者をこの時点では予想していた。
それが一変
するのは土日にかけておきた福島第1原発の事故からだ。そして私の意見では、この原発事故は完璧に菅直人政権により引き起こされた人災である。何故なら
GSやモルスタなどの旧投資銀行は恐らくアメリカ政府から情報提供を受けて、土曜日の朝の時点で原発事故もCME先物価格におりこんでいたと考えられるか
らだ。
では日曜日にかけて何がおきたか?2つの重要な指摘をしたい:
1.ヒラリー・クリントン国務長官は日本政府に対し冷却剤を提供したという声明を出した。だが菅直人政権はこれを断ってしまった。
2.とても原子力にくわしい菅直人は作業服でコスプレをし、カメラ・クルーを従え、福島原発にヘリで視察に出かけた。これが結局、東電によるベントの遅れにつながり放射性物質が漏れた。
ま
ず1.だが、アメリカはテロリストにより原発が攻撃を受けた場合、どう対処するかをずっと研究してきた。つまり、数日の長がある。アメリカの提案は恐ら
く、廃炉前提で冷却剤を使用しろというものだったと考える。これは現時点で見て妥当な提案だった。だが、反米主義の菅直人と原子炉を廃炉にしたくない東電
はアメリカの提案を拒否した。これが大きな不確実性を生んだ。恐らく、それまでの海外ファンド勢の読みは、日本がアメリカの提案どおり冷却剤を使用して放
射能流出を抑えるというものだった。彼らの予測は極めて合理的で妥当だったが、無知で無能で反米主義の菅直人によりアメリカの提案は拒否された。
2.
に関して言えば、1000年に一度の規模の災害がおきた時にヘリに搭乗し飛び回る国の指導者がどこにいるのか?官邸にどっしり腰をすえて、可能な限り情報
を集め分析し、関係筋と協議するはずだ。実際、少しでも社会生活を送った事のある日本人ならそうしたはずだ。ところが菅直人はコスプレをして原発事故現場
にヘリで物見遊山にでかけ、ナイスな写真を複数アングルでとり、TV用の映像を撮影し、結果としてベントが遅れ放射性物質が漏れた。これは海外ファンド勢
のみならず国内投資家も仰天させるものだった。
ここで1.と2.をあわせて考えてみよう。まず、最初の部分で書いたように地震と津波の被
害に関しては、すでに日経平均先物イブニング・セッションとCME先物で織り込み済みだった。つまり300円〜500程度の下落である。ところが、極めて妥当な
アメリカの提案を専門知識も無しに拒否し、さらに物見遊山で事態を悪化させる「民主党リスク」が存在することに投資家が気が付いた。これは日曜日の夕方に
はすでに明確になっていた。
3月14日(月)の日経平均は大きな下落をし9500円まで下がった。だが、現物や先物を見ていても投資家の
不安心理はわからない。不安心理はオプション価格に現れていた。8000円権利行使価格のPutの値段(IV、インプライド・ボラティリティー)は100
倍程度にまでふくれあがった。いや6000円、7000円台のPutのIVも跳ね上がった。これはPutを売っていた投資家が大きな不安感にかられたから
だ。
実際には翌日3月15日につけた8500円が底で、8000円台を割ることはなかったのだが、投資家の不安心理は大きく、はるか下の(FOTM)のPutまで値段が跳ね上がった。繰り返しになるが、その理由は何か?
1.
アメリカの冷却剤提供を拒否することで、菅直人政権には専門家の意見を聞く姿勢が無いことが明らかになった。再度、繰り返すがアメリカはテロ対策として、様々な
「原発事故」を想定しており、アメリカが提供した冷却剤を使用して1号炉を廃炉すれば無問題だった。菅直人にはそうした冷静な決断ができなかった。
2.1000年に一度の規模の天災すら、自分たちの政局に利用することしか考えず、実際に放射性物質の排出をひき起こした菅直人政権が、本来であれば簡単に収束するはずの原発事故をどれだけ悪化させるか予想できなかった。民主党リスクの顕在化。
つまりCME先物価格と3月15日につけた8500円との差、ほぼ1500円が市場が下した菅直人政権の価値である。正確な数字はプロのかたにまかせるとして、−100兆円程度だと思う。マイナスである。
こ
の馬鹿げた下落により多くの投資家が損失をこうむった。だが最大の損失を受けたのは外のPut(7000円台あたり)を売っていた連中だろう。彼らの予測
通り、日経平均は8500円で下げ止まった。だが、オプション価格は投資家の不安心理を反映して100倍にふくれあがった。個人的に損失から自殺したオプ
ション・トレーダーを知っているわけではないが、私は数十人は死を選んだだろうと考える。実際、証券会社もあわてたようでスパンの掛け目が3月14日のイブ
ニング・セッションから2倍になった(100%から200%になった)。つまり証拠金が上がった。
そういうハイレバのデリバティブに手を出すからだと言われるかも
知れない。だが、地震と津波がおきた3月11日の先物価格が示すように、地震と津波が投資家を不安にしたのではない。菅直人の原発「未熟対応」=民主党リ
スクが投資家を不安にしPutの売り手にすさまじい損失をあたえたのだ。
海外ファンド勢も含むPutの売り手は馬鹿だったのだろうか?彼らは菅直人が
大人としての最低限の常識を持っていると期待しただけだった。残念ながら、菅直人にも民主党にもそうした常識は無かった。日本の総理大臣にまとも
な「高校生レベルの常識」を期待したPut売り投資家が馬鹿だった。そして自らの「愚かさ」の結果を命で支払った人もいた。総理大臣により日本国民が殺されたのだ。
これが日本の現状である。
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