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誰が賢い消費者なのか? (アボガド経済学) 2011.08.10
今日、買い物に出てスーパー岡田屋でジャガイモを買った。4個くらいメークイーンが入って175円だった。帰りに別の小さな八百屋さんの店頭を見たら、8個程度入ったものが105円で売られていた。こっちのジャガイモも買った。
昼にさっそくみそ汁に入れて食べてみたが、105円のジャガイモの味は悪くなかった。ただ、表面にデコボコがあり皮をむきにくい。恐らく、それが嫌われているのか、あるいは流通ルートが違うのか?いずれにせよ値段がほぼ倍違う。
前
から私は思っていたのだが、何故、ジャガイモのように日々、食べる食材の見てくれを気にするのだろう?サイズがバラバラでもザル1杯で100円のほうが
よっぽど良いのだがスーパーのジャガイモは妙に均質だ。それは別にジャガイモに限らず、トマトでもそうだ。トマトに筋が入るのは病気でもなんでもない。だ
が恐らく消費者が嫌うために、ツルツルのトマトが1個100円で売られている。一方で、別の店ではカゴ6個入りで100円だったりする(夏期限定)。
はっ
きり言ってスーパーで買い物をする層は馬鹿なんじゃないかと思う。ジャガイモにデコボコがあっても味が変わる訳ではない。トマトに筋が入っていても味は変
わらない。そして消費者が見てくれにこだわらなければ、もっと安く野菜や果物を買えるはずだ。愚かな消費者がいて、見てくれで野菜や果物を買うために、そ
うした野菜や果物の値段は高くなっていく。
そうした矛盾が一番、現れているのはアボガド(アボカド)だろう。先月などアボガド1個が
200円した。6月中旬までは1個120円、特売で85円だった。7月以降は1個200円、特売無しになった。今は1個150円まで落ちてきた。私はアボ
ガドが非常に好きなので、この理由を調べて見ることにした。とりあえず考えたのはメキシコが端境期に入ったというものだ。だが、真相は違うようだ。
まずYahoo!知恵袋を見た。なにしろ京都大学の入試問題の答えすら載っている天下の(ry
引用
2011.08.08 http://loco.yahoo.co.jp/qa/1168388536/
理由は、日本より高く買うところがあるから、そこが基準となった価格で買わないと輸入出来ないからです。農産物なので、需給バランスで価格が決まります。
最近、アボガドの消費が増えているアメリカは、日本より高い価格で買い始めるようになりました。だから時期によってですが、価格が変わってきます。
この一年間は、今までにないくらい安い価格で輸入出来てましたが、この先同じ状況が続くとは限らない見込みです。
引用終わり
上の説明によるとアメリカが高値でもアボガドを買うから、日本に入る分も高くなっているらしい。だが昔、私がアメリカ西海岸にいった頃はカゴ1杯で1ドル程度だったと思う。つまり1個10円である。そこで現在のアメリカでのアボガド価格を調べて驚いた。1個2ドルである。
引用
http://tatsuki-cooking.dreamlog.jp/archives/1434781.html
アボカドの値段の違い 日本では1個100−130円のアボカド、 アメリカでは何と、2ドル前後する。
引用終わり
上のブログが書いてるのは2008年の価格だから今はもっと高いのだろう。
言
われてみれば、私がアメリカ西海岸を旅行した頃、まだアボガドはアメリカにおいてエキゾチックな野菜/果物だった。メキシコ系以外は食べなかったのではな
いだろうか?メキシコ料理も普及してなかった。私は西海岸でタコやバリート、エンチラーダという下町メキシコ料理をよく食べた。エンチラーダが何かわから
ない私はメキシコ系と思われるウエイターに「エンチラーダとは何か?30字以内で簡潔に説明せよ」と言ったのだが彼は肩をすくめ「食べてみればわかる」と
返事した。私の記憶ではそうなっている。
言われてみれば、アボガドに限らず、タコやバリートなどのメキシコ料理はずいぶんアメリカで普及した。そして普及にあわせてアボガドの値段も上がったようだ。だが、調べてみると、もう少し複雑な事情があるようだ。
引用
http://en.wikipedia.org/wiki/Avocado
Avocado-related
international trade
issuesの部分で解説されているが、要するにナフタ締結後、メキシコ産の安いアボガドが入ってきて、カリフォルニアやフロリダ産は値段で競争できなく
なったのだ。そういえば1990頃、オレンジと言えばカリフォルニアだったが、今、日本をはじめ世界で流通しているのはブラジル産が圧倒的に多い。つまり
カリフォルニアの農産物は過去20年間で大きく競争力を失ったようだ。それは単純に労働単価の問題なのか農地の疲弊(作りすぎ/水不足)なのかは私にはわ
からない。
いずれにせよアメリカの農産物が安いというのは過去の幻想のようだ。他方でグアム在住の日本人によるブログ記事を読むと、落ちてるのをただで拾って食べるという。
引用
http://clubmonaka.blog9.fc2.com/blog-entry-1791.html
グアムのアボカドは 丸くて大きくて、皮が薄めです。
そういえばNZにもこのタイプ売ってました。 あんまり買ったことなかったけど。 (普通のアボカドが激安ゆえ)
で、コレなんでこんなに 大きさも熟し加減もまちまちかというと
拾った から。
正確には 拾ったのを、くれたから。
グアムじゃアボカドの木なんざ その辺にいっぱい生えてるから 欲しくなったら採りに行けばいいよー
引用終わり (犬がアボガドを嗅いでる写真がおかしい)
これはブラジルでも同じで、アボガドが庭木として普通に植えられており、上から熟しすぎたアボガドが落ちてきて服がだいなしにならないよう気をつけるのが現地のエチケットと聞いたことがある。
ア
メリカもそうだし日本もそうだが1個150円とか2ドル払うのが賢い消費者のすることだろうか?私ならサイズがばらばらでもカゴ1杯で100円のほうが
ずっと良い。しかし、それでは中間業者が儲からない。つまり消費者がうるさいからアボガドの値段が高くなっているのでは無く、サイズをそろえ見た目のよい
ものを高く売った方が中間業者が儲かるから、アボガドが高くなるのかも知れない。
追記
上の英語wikiにも各地でのアボ
ガド・ミルク・シェークが書かれている。これはブラジルではビタミーナと呼ばれ、街頭のジュース・バーで簡単に飲むことができた。そう言えばブラジル人歌
手ジョイスの曲に「ビタミーナ」というナイスなサンバがあったと思い、検索したが出てこない。出てこないはずで正しい曲名は「フェミニーナ」だった。
http://www.youtube.com/watch?v=rC8TO8Vg7D4
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