今、日本でおきているハイパーインフレ
2011.09.07

日本経済はバブル崩壊以降、ずっとデフレ基調にある。対して同じ日本にありながらハイパーインフレをおこしている部分がある。大学である。学士という資格である。ここでは「誰でも望む教育を受けられる権利がある」という錦の御旗が掲げられている。

し かしである、私が見るところ日本社会の仕事のほとんどは高卒で務まるのではないだろうか?徒に、みんなが大学に進学するために、昔であれば18歳で労働力 として社会に参加した人々が22歳以降に参加する。外国人移民とか言う前にコレを何とかしたいものだ。それには、どうすれば良いか?日本社会では学歴は高 卒で十分であるというコンセンサスを作れば良い。いくつかの手法が考えられる:

1.学歴による就職差別などを厳しく禁止する。もし高卒が、高校卒業の学歴故に企業において昇格などで差別されるなら、これを厳しく罰する(例えば、上場廃止など)

2. 大学に行く人は、より高度な教育を求める理由があるはずだ。従って、学士の資格に有効期間を設ける。例えば、学士の資格を取って6年経過したら、既卒者向 け大学検定を受けることを強制する。受けない場合は、学士号取り消しとする。この既卒者向け大学検定で国が認定する学士の数を半分にする。同様にさらに6年(12年)経っ たら、もう一度検定を受けさせる。これにより、学士の数を最終的に25%程度にまで落とす。

3.資格を1回、取ったら死ぬまで有効という考え方は明らかにおかしい。学士は学士号という資格なのだから、習得した知識を忘れたり知識のアップデートを怠る者はどんどん落とすべきだ。資格剥奪すべきだ。それは社会の新陳代謝として望ましい。

本来であれば学士に限らず、弁護士や会計士あるいは英検などにも有効期間を設けるべきだと思う。現にTOEFL試験には有効期限がある。私が25歳の頃、取った「ハーバードの文学部でも入学OK」という素敵な点数はとうの昔に無効になっている。通知用紙も捨てた。

(関係ないが、同時通訳の方と話をしている時に、多くのかたが英検1級合格通知を受け取って、すぐに捨てていることを知った。実は私も2年後に捨てた。その後、必要になり協会に再発行してもらった)

「日 本では高卒の学歴で十分」にするとして、では高度な教育を受けたい人はどうするんだと言われるかも知れない。これは教養課程は夜間なり通信教育で単位を取 り、専門課程は企業なり公務員組織が休職を認めることで「いくらでも向学心を満足させる」ことができる。もちろん最初から才能がある人は大学に行くべき だ。

4年、就業年齢が早まることは日本社会に大きな意味がある。実質的な労働人口が増えるからだ。他方で「学問を究めたい」人にはいくらでも機会を与えるべきだ。ただし、学士号にふさわしい「何か」を習得できない/維持できないなら高卒に戻ってもらうべきだ。

社会で十分な地位を築くか能力を証明した人は学歴が高卒になろうが気にする理由はないだろう。

とりあえず教育分野におけるハイパーインフレを止めるべきだ。このハイパーインフレは学士号の価値を昔の中卒にまで落としているのだから。

いや、「オレは学士だ」と主張されるなら学士に値する教育レベルを維持していることを死ぬまで証明すべきだと私は思う。誰にでも教育を受ける権利があることは「どこか大学に入れば死ぬまで学士」を保証している訳ではないはずだが・・・・


追記

もし、この制度が10年前に採用されていれば、鳩山由紀夫や菅直人という悪夢のような高学歴首相は生まれなかっただろう。