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日本バブルが終わり世界バブルが始まった 2011.10.02
2003
年頃、自分のサイトで書いたこともあるのだが、日本のバブルが崩壊した結果、お金が外国に逃げた。そのお金が主に欧米でレバレッジをかけて運用されたため
に欧米の経済状態が良くなった。それがハッキリ、日本と同じバブルだと見えてきたのが2003年頃だったと思う。
ここでの私の論理は以下の通りである。
1.トヨタがケンタッキー工場を建設するために円を売りドルを買う
2.トヨタは円を売ってえたドルをアメリカ国内で使用し、工場を建てた
3.つまりトヨタが円を売って買ったドルはアメリカ国内で使用された
4.このドル資金が高いレバレッジをかけて運用された
5.乗数効果と相まり、アメリカ国内で流通するドル建て資産が膨れあがった
6.それはバブルに他ならない
7.一方でトヨタにドルを売り日本円を受け取った連中は、受け取った日本円を売りドルを買った
8.何故ならアメリカ在住者/金融機関が日本円を持っていても原油が買える訳でもない。保有する理由がないからだ(つまり日本円は日本に戻ってきた。恐らく日本国債に化けたのではないだろうか?)
9.この欧米(と中国バブル)を維持するためには日本から輸出企業が工場を海外に移す動きを続けるか、日本からの資本逃避が必要だった
10.日本からの資本逃避は円売り・ドル買いである
11.海外でドルを売り日本円を受け取った連中も円を処分しドルを買った
12.私の記憶では1995年辺りから日本の国家破産が新聞やTVで騒がれ出した
13.日本の国家破産は明白に事実に反しているのだが、日本からの資本逃避をうながすのには良い口実だった
14.何故なら民衆や企業の不安感を煽るからだ。国内金融機関への不信感を引き起こすからだ
15.1995年に阪神淡路大震災があった。これもまた日本からの資本逃避をうながす材料となった
16.つまり私の意見では欧米のバブルの原資、少なくとも呼び水は日本のお金である
17.それに高いレバレッジがかけられサブプライムにはじまる怪しげな仕組み債/デリバティブが組成された
18.だが2006年頃には、欧米においても自分たちの経済繁栄がバブルであったという認識がおきる
19.バブルは破裂するからバブルなのだ
20.壮大な規模の「金融詐欺」があり、これは解消不可能だった
21.それは組成されたデリバティブが悪質だったからだ (日経平均先物とかはデリバティブと言っても清算日時が決まっており、必ず3ヶ月内に清算される。そうしたデリバティブは大きな問題では無いだろう)
22.組成した金融商品を解消できないのだから壮絶なバブル破裂がおきる。何故、解消できないかというとサブプライム債権が複雑な仕組み債だからだ
引用
★中央銀行の中の中央銀行であるバーゼルの国際決済銀行の最近の公表データでは、2008年6月の相対取引であるデリバティブ取引の残高が683T$以上あるそうだ。(これは6京円強になる。)
http://www.financialsense.com/fsu/editorials/deepcaster/2009/0116.html
引用終わり
と言うのが私の長年の主張である。日本の成長期において輸出で稼いだ外貨は円に換えられ、国内で使われた。これが日本経済の成長を支えていたが、円売りがはじまって以来、輸出で稼いだ金はまた海外に流出し、良い流れが止まり日本は長い経済停滞に入る。
上に書いたような事をずっと考えていた。この仮説は正しいのだろうか?
まず長期のドル円為替レートを見てみよう。1950年から今年までである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:JPY-USD_1950-.svg
プ
ラザ合意にはじまり急速・急激な円高になる。だが意外なことにバブル絶頂期、ドル円は150円程度である。何故、ここでドルが買われ円が売られたのだろうか?私
は冷戦終結が理由だと考える。冷戦終結の動きがはじまったのが1989年であり1991年には確定する。そこで一端、冷戦に勝利したアメリカ通貨ドルの評
価が上がったのではないだろうか?
不可解なのがバブル崩壊後から阪神淡路大震災(1995年)までの1ドル=74円までの円高である。素直にプラザ合意からはじまる長期ドル売りトレンドが継続していると見なすこともできる。深読みすれば湾岸戦争と小沢一郎による「対米隷属」貢献がこの時期にあった。
円高が日本輸出企業の国内工場閉鎖と海外移転をもたらすのは事実だ。ここでの私の論理は以下の通りだ。
1.円高になると輸出企業は為替ヘッジをする必要性が出てくる
2.それは海外での売り上げ送金時期が遅れるほど日本円での価値が減るからだ
3.みんなが為替ヘッジのために通貨オプションを買うと通貨オプションは値上がりする(需要と供給)
4.同時に円高そのものがボラティリティーが上がることを意味するのでインプライド・ボラティリティー(=通貨オプションの価格)は上昇する
5.この為替ヘッジ費用が耐え難いほど高くなると、輸出企業は国内工場を閉鎖し消費地であるアメリカ(後には中国)に工場を移す
6.それは国内雇用の減少となるために経済は悪化する
ところで日本は世界最大の債権国と良く言うが、いつからそうなったのだろう?
引用
http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20110525/Searchina_20110525036.html
日本が20年連続で世界一の債権国に=中国メディア
2011年5月25日 14時06分
日
本の財務省が24日発表したデータによると、2010年末までの日本の企業や政府、個人投資家が海外に持つ資産から負債を差し引いた対外純資産は、円高な
どの影響を受け、前年比5.5%減の251兆4950億円(約3兆700億ドル)となった。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。
デー
タによると、昨年末までの日本の対外資産残高は1.6%増の563兆5260億円(約6兆8800億ドル)。海外負債残高は8.1%増の312兆310億
円(約3兆8100億ドル)で、3年ぶりに増加した。海外投資家による日本株や日本国債の取得が増えたことなどが主因とみられている。
日本の海外資産には、直接投資、証券投資、デリバティブ、外貨準備、その他投資などが含まれている。国際通貨基金(IMF)の統計によると、2010年末の時点で、日本は20年連続で「世界一の債権国」となった。(編集担当:米原裕子)
引用終わり
20
年前は1991年である。それは日本のバブル崩壊が確定した時期であり、不可解な円高トレンドがはじまった年だ。つまり工場移転もふくめた海外への資本逃
避がおきた結果として日本は世界最大の債権国になったようだ。もし私の考えるように日本のバブル崩壊の結果として、日本が世界最大の債権国になったなら日
本国民に今ひとつ実感がわかないのも理解できる。
そして欧米と(日本をのぞく)世界のバブルが破裂し、新しい世界秩序が生まれるというのが私の現状での理解である。
追記
日本が世界最大の債権国になりながら実感がわかない理由の1つはWW2終結後、領土の売買が行われなくなった点にもあると思う。アメリカはアラスカをロシアから買っている。現在進行形のギリシャ債務危機でエーゲ海の島々を売却するという話が出ている。
ア
ルゼンチンが国家破産した時に私は思ったのだが、アルゼンチンの奥地50km四方を日本が買うことができれば日本人も自分たちの「本当の富」を知ることが
できた。そこに裏日本を作れば良いのだ。英国がアルゼンチン沖合のフォークランド諸島を自国領土としているのだから日本が南米に海外領土を持っていてもお
かしくはない。
アルゼンチンの国家破産時は世界経済が拡大していた。実際、アルゼンチンは猛烈に安くなった自国ペソで輸出を伸ばし、相当
部分、経済を回復した。だが時代が時代であれば国土を売るという選択もありだったと思う。大体、南米のペルーとかボリビアとかは元々スペインの植民地とし
てひとからげで統治されていたのだ。
WW2以降、「規則」が変わったために日本人は自国の富を自覚できないでいるというのが私の主張である。
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