形を変えた洗脳
2011.10.07

読売新聞夕刊1面連載「海の細道」が韓国編になっている。この長谷川櫂氏(はせがわ・かい)による文章には違和感がある。そこから、この文章をはじめたい。

10月3日が韓国編1回目だ。まず長谷川氏の文章が意味不明なのだ。

引用

釜山へ向かう船の客室で本を読んでいたのに、どこかの浜辺に打ち上げられているようだ。

三人の少女に肩を揺すられたような気がして目をさますと、またもとの船室の座席にいた。まわりには修学旅行らしい女子高生たちがいて何語だろうか、小鳥のようにおしゃべりしている。

引用終わり

長谷川氏はマリファナをやりながら文章を書いているのだろうか?私の素朴な疑問である。大体、何語かわからない訳がないだろう。日本語か韓国語に決まっている。

上に書いた文章に代表されるように長谷川氏の連載は良く言えば文学的誇張、悪く言えば妄想のかたまりだ。

読み進むと李陸史(イユクサ)という抗日詩人を中心にした文章であることがわかる。この詩人の詩を1940年に金素雲という詩人が日本語に訳し出版した。長谷川氏によると、この出版行為には2つの意味があるという。

1.朝鮮側には祖国の詩を日本に誇示するもの
2.日本側には朝鮮の詩を日本語の体系に組み入れるもの

だそうである。さらに「いずれにしても詩は民族の魂である」と書かれている。この詩を食事にしても祭りにしても音楽にしても彫刻にしても文章は成り立つ。それは、つまり何も言ってないに等しい。

こ の韓国編2回目は「韓国は何よりも「松の国」なのだ」で終わっている。そうなのだろうか?1980年3月に私はソウルに行った。これはアメリカへの旅行に 大韓航空を利用したからだ(ストップオーバー)。成田からずっと下の大地を見たのだが日本は本当に緑だらけだった。それが韓国に入ると一変する。ハゲ山ば かりなのだ。緑がないのだ。これは韓国に詳しいかたはご存じなように日本が韓国を併合していた時期に膨大な松を植樹したのだが、それを韓国人が自分たちの 意志で伐採した。長谷川氏は目が悪いのか?

連載3回目も強引なこじつけで始まる。

「韓国の東側を流れ、釜山で海に入る洛東河(ナクトンガン)。この大河が山あいを曲がりくねりながら流れるところに安東(アンドン)はある。かつて船はここまでのぼることができた」

ま ず山間を流れる河を大河とは呼ばない。例えばコンゴ河はあまりに川幅が広いために船で渡れない。ンゴビラという地点にフェリー乗り場があり、定期的にキン シャサとブラザビルを結んでいる。常識で考えて、大河が山間を曲がりくねる訳がない。この安東(アンドン)という土地は完璧に韓国内陸部にある。だが長谷 川氏の連載が「海の細道」という題であるために強引なこじつけをやってるようだ。

結局、長谷川氏の強調したい点は下の部分のようだ。

引用

陸史は二十一歳のとき、秘密結社を作っている。二年後、安東の南、大邱で朝鮮銀行爆破事件がおこると、兄、二人の弟とともに逮捕された。陸史は生涯に十七回も投獄された。日本の官憲の取り調べのきびしさを思えば、不屈の闘志というべきだろう。

引用終わり

銀 行を爆破するのは犯罪あるいはテロであり逮捕されて当然ではないだろうか?もし陸史という詩人が日本軍に対しゲリラ戦をしかけたなら確かに民族闘争かも知 れない。ここらあたりを長谷川氏はどう考えておられるのか?大体、秘密結社とは何か?政治団体あるいはゲリラ組織の間違いでは無いのか?

で、この李陸史という詩人は日本の官憲と憲兵に厳しく「迫害」されたらしいのだが、その割にはこの人の詩は普通に日本で出版された。北原白秋が、詩集の日本語翻訳をした金素雲を支援したと書かれている。?? 理解できない・・・・

これまでの3回の「海の細道」韓国編を読んだ感想を言うと、全て詩人である長谷川氏の妄想である。

こういう記事が読売新聞夕刊1面に堂々と載っているのだ。

追記

下の文章を読むと、きちんと軍事訓練を受けたゲリラ兵である。この事実は長谷川氏の文章から抜け落ちている。

http://spysee.jp/%E6%9D%8E%E9%99%B8%E5%8F%B2/1564480/#lead


李陸史(りりくし) [ 日本大百科全書 ( 小学館 ) ] [現地読み:イユクサ] (1904―1944) 朝鮮の詩人、独立運動家。 慶尚北道 の生まれ。1923年日本留学。32年から2年間、朝鮮革命幹部 学校 である 南京 (ナンキン)郊外の 国民政府 軍事委員会幹部訓練班第六隊で訓練を受けたのち帰国。民族主義系の地下独立運動組織である義烈団のメンバーとして 北京 (ペキン)との間を何度も行き来して投獄は17回に及び、解放直前北京で獄死した。

彼の詩は 民族 の 受難 の時期に、解放を希求してあくまでも屈しない民族の強い抵抗の意志を格調高く歌っている。代表作に『曠野(こうや)』『絶頂』がある。また彼は『魯迅(ろじん)論』をはじめ、現代中国の文学、 政治 を積極的に論じた、朝鮮では数少ない文学者でもあった。

上 の文章に出てくる朝鮮革命幹部学校を検索すると延安派というのが出てくる。これを読むと中国共産党あるいは北朝鮮系の革命組織である。つまり李陸史という 詩人は共産主義革命ゲリラなのだ。それはそれで事実として紙面に書くべきではないだろうか?彼の詩作の評価はまた別である。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%B6%E5%AE%89%E6%B4%BE