何故、新聞には誤報回収責任が無いのか?
2011.11.21

先週、オリコミチラシを見ていたらパナソニックによるナショナル時代の石油ストーブ回収のお願いが入っていた。「ナショナルのFF式石油暖房機を探しています(1985−1992年製)」とある。

確かに、このストーブは死亡事故をおこした。従ってパナソニックにPL法(製造物責任法)に基づく回収義務が生まれている。それは理解できる。私がここで問題にしたいのはメディア、特に新聞が誤報を垂れ流しながら、全く回収しようとしない点にある。

例 えば、先日の日本経済新聞は1面特ダネとして「日立と三菱重工の経営統合」を書いた。少なくとも現時点では誤報である。だが日経は私の知るかぎり一度も訂 正記事を載せていない。日経は紙面でCSR(企業の社会的責任)を良く特集しているが、自分たちは例外だと考えているのだろうか?

もっと 悪質なのが朝日新聞が繰り広げた従軍慰安婦キャンペーンである。これは韓国の詐欺団体と呼応した極めて悪質な捏造だった。韓国の検察が当該団体を起訴した から犯罪性は明確だ。だが朝日は形式的な訂正をしただけだ。結果として、多くの日本人あるいは外国人が、依然として朝日の従軍慰安婦キャンペーンを信じて いる。

実際に朝日新聞社で10年働いた私の目で見ても、これはおかしい。ただの言論の自由の濫用なのだ。

大体、太平洋戦 争中の言論弾圧を煽ったのが朝日新聞ほかである。東洋経済新報社のように、ほぼ「事実」を書いていたメディアが存在したのだ。そして戦後は、戦時中のこと は無かったように「言論弾圧を許すな」と言ってるのだ。自分たちが言論弾圧の風土を造り、戦後になって体制が変わると今度は言論弾圧を許すなと変貌する。

日本国憲法が保障する言論の自由、表現の自由、出版の自由の濫用がひどすぎる。大体、日本の憲法がそうした自由を強調しているのは、朝日新聞が戦前や戦時中に行ったような非常識なまでに好戦的な言論を排除しようという目的があると私は考える。

そうした自由の濫用は、例えば国家破産本などにも見ることができる。そうした本を出すのは自由だ。また講演会をするのも自由だ。だが「危ない日本国債の代わりに当社が厳選した英国の社債を買いなさい」と勧めるのは詐欺そのものではないのか?

先日、広島高裁が山陽新聞社の押し紙を認定するという画期的な判決を出した。いい加減、我々はメディアの傲慢に対し「きちんと訂正しろ」と要求するべきだ。それは言論の自由とは何ら関係ない、法人の自社製品(この場合は記事)への流通責任の追求に過ぎないのだから。