ロシア経済は順調なのか?
2011.11.28

最近、ネット上でユーロ圏の金融危機により相対的にロシアの存在感があがってきたという記事をよく見る。これは本当なのだろうか?ちょうど面白い記事を見つけたので紹介したい。なお記事の配信元はBloombergである。

引用

http://www.businessweek.com/news/2011-11-27/futures-fall-as-decline-in-output-hits-lukoil
-russia-overnight.html

Nov. 28 (Bloomberg) -- Russian stock futures fell and OAO Lukoil posted its biggest weekly decline since September as the nation’s biggest independent oil producer reported a drop of almost 6 percent in third-quarter crude production.

ロシアの株式先物は下落しルクオイル株は9月以来の最大の下落を記録した。ルクオイルはロシア最大の独立系石油会社だが、今年の第3四半期において6%の原油生産量の落ち込みがあったことを公表した。

Lukoil, which accounts for 15 percent of Russia’s 30-stock Micex index, extended its weekly decline to 6.6 percent after reporting third-quarter results that included a 2 percent drop in gas output and a 21 percent slide in net income. Oil production declined as flows from some wells in Western Siberia abated and falling demand from customers cut gas production, the Moscow-based company said in a Nov. 25 regulatory filing.

ルクオイルはロシアの30社からなるMicex指数の15%を占めている。彼らの株式は週間6.6%の下落をした後、さらに下がっている。第3四半期で2%の原油生産の落ち込みと21%の純利益減少を発表したからだ。

西シベリアの幾つかの油井からの原油生産量量が減少しており、海外需要家が原油消費を切りつめた結果、需要が落ちているからだとモスクワ本社のルクオイルは25日に当局に提出した書類の中で述べた。

(以下、ロシアの油井が枯れてきている部分は割愛)

“It’s the higher oil price that keeps Russian equities from falling down further,” Elena Matrosova, a Moscow-based economist at BDO International which advises clients including Russia’s central bank, said in a phone interview on Nov. 25.
(原油価格が高止まりしているからロシアの株式は大きく下落しなかったことの指摘)

The European Union is Russia’s biggest trading partner and the largest source of revenue for OAO Gazprom, the world’s biggest natural gas exporter and Russia’s largest company.

欧州連合はロシアの最大貿易相手であり、世界最大の天然ガス輸出業者であるガズプロムの最大収益源だ。そしてガズプロムがロシア最大の経済主体だ。

引用終わり

ガスプロムに関するwikiからの引用

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%A0

ガスプロム(露: Газпром, 英: Gazprom)は、ロシアの企業。天然ガスの生産・供給において世界最大の企業である。創設は1993年2月17日。半国営の天然ガス独占企業である。

2006年4月にはガスプロムの時価総額はマイクロソフトを超えて世界3位になり、エネルギー企業としてはエクソンモービルに次ぐ企業になった。

天然ガスの生産高(採掘量)は5237,9億m³で、これはロシアの88%(残りはITERA社および石油企業の生産)、全世界の23%に相当する。埋蔵量は、17,800 km3で、これは世界の38%を占めると言われる。

国 内総生産並びに鉱工業総生産の約8%(2000年)、ロシアの国家税収の約25%(1993年から2003年の間、毎年平均40億ドル以上)を占める。ガ スプロムは58の子会社(2002年9月現在)と、約30万人の従業員を抱える。パイプライン15万2000km、地下貯蔵施設22ヶ所(総容量790億 m³)を保有し、採掘、生産、から供給、販売までを独占している。

引用終わり

以下は個人的な意見。今の原油価格は明らかに異常に高すぎる。世界の需要はむしろ落ちてるはずだし、これからさらに落ちるだろう。同時にロシアは油井の寿命が来ているのかもしれない。

こうした事情を考えると、EUの金融危機が深まるほどロシアの受けるダメージも大きくなるように私には思えるのだが。