精神障害者だけが受けるハンデ
2011.11.29

身体、知的、精神障害者を問わず重症の人は障害者の認定を受け、障害者手帳を受け取る。幸いなことに私は手帳を受け取ったことがない。だが、この手続きにおいて微妙な行政の差別があると私は思う。

引用

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E6%89%8B%E5%B8%B3

障害者手帳(しょうがいしゃてちょう)とは、障害者として日本にて公的機関に認定を受けると発行される物を指す、手帳制度である。

な お、精神障害者手帳は、過去、他の障害とは区別され、各種優遇を受けることができない場合もあったが、障害者自立支援法の施行後、差は少なくなっている。 ただし、精神障害者手帳では、2010年現在でもJRの運賃割引・民間の交通機関の多く・航空運賃の割引・多くの有料道路での通行料金の割引は行われてい ないなど、いまだに他の障害者との差異が残っている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85
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精神障害者保健福祉手帳

手 帳には顔写真が貼付される。これは2006年(平成18年)10月1日申請分から改訂されたもので[3]、当初は既存の2制度と異なり写真の貼付は不要で あった。更新義務のない身体障害者手帳と異なり2年の手帳有効期限が定められているため、写真の添付されていない旧様式の手帳は、順次写真添付の新様式に 更新された。[4]

引用終わり

精神障害者が障害認定を受けるためには所定の医師に診断書を書いてもらう必要がある。それを2年ごとにやらなければいけない。対して身体障害者手帳には有効期限がない。一度、認定を受けると生涯、有効だ。

こ の論理の裏に何があるのだろう?建前としては、身体障害は直らないが精神障害は直るという医学的な根拠がある。だが私の兄が発症したのが、ほぼ40年前 だ。そして、この分野の薬は新しいものがでてきているのだが兄の症状は全く改善しない。ただ歳をとって体力が落ちてきたので暴れるだけの力が無くなってき たようだ。

(例えばジプレクサとかSSRIなどが日本で処方されるようになった)

40年間、同じ病気で苦しみながら、なお2年に一回、医師に診断書を書いてもらい、手帳を更新しないと無効になるのだ。これはおかしい。ここまで長期の病気なら既に器質的な変化が起きたとして生涯、有効な手帳を出すべきだ。

さ らに問題なのは、この病気の特性故に、診断結果が出ているにもかかわらず障害者認定を避ける家庭がたくさん存在する点だ。それは結局、家族の就職や結婚に 支障がおきるからだ。ここでの支障がおきる=差別されると読み替えていただきたい。その結果として家族の経済的負担は莫大なものになる。精神的負担も同様 だ。

身体障害者で障害認定を避ける人はほぼゼロだろう。何故、精神障害者とその家族だけが、ここまで行政から冷遇されなければいけないのか?それは我々が声を上げないからだと私は考えるのだ。

追記

障 害者雇用制度がある。これは企業従業員の一定割合分、障害者を雇用することを義務づける法律だ。だが雇用されているのは、ほとんどが身体障害者で、まれに 知的障害者がいるのが現状だ。私の兄もリハビリ施設で簡単な仕事をしているが、障害者郵便事件で知られたようなカタログの袋詰めとか蒲鉾の箱詰めをしてい る。これもひどい話だと思う。

さ らに不思議な話だが、家族に医師から統合失調症と告げられた患者を持ちながら障害者認定を受けない家庭がどれだけあるのか、そうした調査数字を私は見た事 がない。それは厚生労働省の怠慢かも知れないが、恐らく家族がそうした調査そのものを嫌がることが最大の理由と思われる。調査を受けること自体が差別をひ きおこすからだ。結果として、どの程度の差別を受けているかの実態は不明だ。

輪をかけて不満なのは統合失調症は治る病気だから2年に1回の手帳更新が必要だという行政の論理である。治る病気なら、社会が積極的に支援して社会復帰できるようにするのが筋ではないだろうか?身体障害者の障害は治らないのだから。