誰が洗脳装置を持っているのか？ 2011.12.12 最近は以前より新聞を読むようになった。簡単にアラが見つかるからだ。今日の読売新聞社説もひどかった。 引用 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20111210-OYT1T00803.htm ＥＵ首脳会議　金融不安の払拭にまだ力不足（12月11日付・読売社説） ギリシャに端を発した欧州発金融危機を食い止めようと、欧州各国の首脳が薄氷の合意にこぎつけた。だが、金融不安払拭には力不足だろう。 ユーロ導入の独仏など１７か国を含む欧州連合（ＥＵ）首脳会議は、厳しい財政規律を課する新条約を締結することで合意した。 中略 危機克服への綱渡りを先導する独仏両国の責任は大きい。 （2011年12月11日01時10分  読売新聞） 引用終わり 上の社説を読んでおかしいと思いませんか？どこにも読売新聞の主張とか意見がない。ただ欧州金融危機において独仏の果たす役割が大きいという誰でも知ってる事実を書いてるだけだ。これは社説ではなくただの解説だ。 問題は １．日本は欧州金融危機に関与すべきかどうか ２．欧州金融危機が欧州債を保有する日本の金融機関にどれだけの損害を与えるか では無いのだろうか？もし関わる気が無いのなら、評価損計上に備えよとか引当金を計上せよというだけですむ。つまり読売新聞の今日の社説は、一見すると非常に重要なことを言っているようだが、本質の部分を抜いているのだ。牛肉の入ってない牛丼のようだ。 ところで私は新聞を含む日本のメディアを洗脳装置と呼び罵倒してきた。ここで改めて暴力装置と洗脳装置の違いについて考えてみたい。 引用 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%B4%E5%8A%9B%E8%A3%85%E7%BD%AE 暴力装置（ぼうりょくそうち）とは、国家権力が軍隊や警察といった暴力を行使できる組織を配下に置き、必要に応じて発動できる状態に用いられる社会学の用語。軍隊や警察組織そのものを指して使われる場合もある。 し かし、暴力という語が誤解を招きやすいこともあり、英語ではLaw enforcement（＝法執行機関）と呼ぶのが一般的である。すなわち実力行使が許されている機関、例えば日本では入国管理局や国税庁査察部、アメリ カ合衆国ならアルコール・タバコ・火器取締局や連邦保安官も暴力装置かつ法執行機関である。消防も延焼拡大阻止のために私有の家屋や山林を破壊することは 許されているうえ、放火事案を警察が捜査することに密に協力していることから法執行機関である。 中略 2010年11月 18日に開催された参議院予算委員会にて、当時の民主党政権における現職の内閣官房長官であった仙谷由人は、「暴力装置でもある自衛隊」と述べたが、自民 党などからの猛抗議を受け、「実力組織と言い換える。自衛隊の皆さんには謝罪する」と撤回して謝罪した[19]。また仙谷は、2005年10月03日に早 稲田大学の大隈塾にて講演した際、「憲法に自衛隊が存在することの根拠を書」くべきとの文脈で以下のように述べた[20]。 引用終わり 元々、マルクス主義の用語であり、暴力装置の厳密な意味を考えてもしかたがないのだが、この表現には「もう１つの大きな力」が抜けている。それは洗脳装置である。 自分に対しライフルが向けられた状態であるいは戦車が向かってくる状態で警察や軍隊に反逆しようという人はいない。自殺願望を持っていれば別だが。 そ ういう意味では法治の維持に暴力装置が必要なのは確かだ。だが、ここで重要なのはライフルを向けられた人は命令に従うが、彼らの心を動かすことはできない 点だ。腹のなかでは「この野郎、きっと仕返しをしてやる」と思っているかも知れない。例えば下のような最近の事例を思い出す。 引用 http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011121102000035.html ロ シア下院選での政権側による不正疑惑をめぐり、野党勢力が呼び掛けた抗議デモが十日、モスクワで行われ、タス通信によると約三万人が参加した。主催者側は 四万人が集まったとしている。野党の活動が制限されている同国で、これほど大規模なデモが行われたのは異例。来年三月の大統領選で返り咲きを目指すプーチ ン首相は、苦しい立場に追い込まれそうだ。 引用終わり 要するにプーチン氏は民衆の心を支配できなかったのだ。少なくとも現時点ではそう見える。 では何が心を支配できるか？１つはソフトパワーだろう。何らかの文化／カリスマの魅力で相手を攻略し好意を買うことができる。もう１つの方法はメディアの使用である。 このメディア、特に日本の新聞とTVが民主党応援団になっているから私は洗脳装置と呼んでいる。「報道しない自由」を駆使して、民主党に望ましい情報を優先して流しているからだ。 つまり法と秩序を維持するのには暴力だけでは不十分なのだ。何らかのソフトパワーと情報操作を使用することではじめて完全な形での法と秩序の維持ができる。 こんな簡単なことがあまり指摘されない。理由は簡単で「洗脳装置」である新聞やTVは、そうした自分たちが果たしてきた役割に関して秘密にしておきたいからだ。 暴力装置＋洗脳装置＋ソフトパワーがあって、初めて法と秩序を維持できるというのが現時点での私の考えだ。