記者クラブ枠を競売せよ
2011.12.17

重要な官庁には記者クラブがある。そこで官僚が提供する情報は新聞社やTVのためにあるのか?明らかに違う。官僚は国民への説明義務を果たすために、国民に情報を提供するのだ。

ところが現実には記者クラブがあるために我々は決して一次情報にふれることができない。記者クラブという情報談合組織のフィルターを通したものしか我々には届かない。

ここには明らかに癒着がある。

もし官庁や官僚が「国民への説明責任」として記者クラブでの会見や説明を行っているなら、官庁側がわざわざ記者クラブ室を用意し、電話やPC回線を設置し、場合によってはお茶やコーヒーを出す理由がない。

要するに官僚と記者クラブ所属記者達により「情報が丸く均質化される」ことを官僚が期待し、一方で記者は「情報発信媒体」としての自分たちの独占的地位維持に役立つので迎合している。これはただの情報談合だ。

かと言って記者クラブを完全に廃止した場合、大きな混乱がおきるかも知れない。フリー・ジャーナリストが信用できるという保証がない。情報の質がかえって落ちるかも知れない。

ここでの1つの解決策として、記者クラブ枠の競売を提案したい。

1.日銀記者クラブの定員を20名とする

2.15名は日本メディアに与え、5名は外国メディアに与える

3.どのメディアが記者クラブ枠に入るかどうかは純粋に公開競売での提示額で決める

4.使用される言語は日本語に限定する

全ての記者クラブに外国人枠を作ることが良いとは決して思わないが、日銀などは外国人枠があるのが当然だ。すでにロイターなどが記者クラブに所属しているようだが、選考課程が不透明だ。

日銀情報は、金融業界筋にとって見れば「宝の山」である。その日銀記者クラブが漫然と過去のしきたりにならって運営されるのはおかしい。日銀記者クラブで得られる情報に価値を見いだす順番に枠を与えるべきだ。

現時点において「報道しない自由」なるものが駆使されている。それは結局のところ、記者クラブの段階で「どういう報道をするか」大枠を決めてしまうからだ。その慣行が大変な不利益を国民にもたらしている。

1つの考え方は「情報における独占禁止法」である。何らかの法律により情報談合を土木談合と同じ次元で罰する。

それは日本国憲法が保障する言論の自由、表現の自由、出版の自由などの侵害だと言われるかも知れない。だが国民の知る権利はメディアがふりかざす言論の自由より上位にあるはずだ。

何故なら、日本国憲法が保障しているのは、国民の言論の自由、国民の表現の自由、国民の出版の自由、国民の集会の自由であり、朝日新聞や読売新聞が恣意的な記事を書く自由ではないと私は考えるからだ。