何が兌換紙幣なのだろう?
2011.12.24

引用

http://www.zerohedge.com/news/infographic-are-guns-and-ammo-new-gold

Infographic - Are Guns And Ammo The New Gold?
Submitted by Tyler Durden on 12/22/2011 12:21 -0500

There are those who contend that when fiat dies, gold and precious metals will take its place. Then, a smaller subset out there, claims that it matters not who owns the gold or silver. All that matters is who is in charge of the lead. The following inforgraphic from ammo.net may shed some much needed

引用終わり

ゼロヘッジのサイトで掲載されている文章が正しいかどうかは不明だが、それらは少なくとも正直だ。この点だけでも私は評価している。

(今、日本の消費税を増やそうとしているのは財務省の勝事務次官をはじめとする一派であり、目的は自分たちの功績であり、結果として日本経済を破壊すると言う文章を書いてゼロヘッジに寄稿しようか・・・)

ゼロヘッジの主張は極めて明確だ。

不換紙幣への信用が失われ、金や銀が買われようと最終的に問題になるのは誰が「暴力装置」を握っているかだ。何故なら、ライフルをつきつけて貴金属を欧州、いや押収することは極めて簡単だからだ。

これがアメリカであるなら、「上等じゃないか、政府に応戦しよう」と考えて、ライフルや銃弾を備蓄する人々が現れる。そこまでいくと「金の輝きは永遠だ」という綺麗事は通用しない。銃撃で勝ったほうが資産を独占する。

アメリカは事情が違うので日本限定の話をしてみたい。私は以前から思っていたのだが10円や1円は実質、「兌換紙幣」ではないのか?

引用

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1115670961

硬貨については、平成18年度について12.1億枚の製造に対して、造幣局の収支では、業務活動による支出が214億円、内原材料費が39億円ですから1枚あたりでは材料費が3.2円、人件費などを含めた製造コストは17.7円となります。

http://www.mint.go.jp/info/pdf/18komokuc.pdf

尚、4月3日の日本経済新聞による金属地金価格は1kgあたりで銅894円、亜鉛265円、スズ2204円、ニッケル3240円、アルミニウム338円ですから、材料費は

1円0.34円、5円2.4円、10円4.0円、50円5.9円、100円7.1円、500円6.7円となります

引用終わり

ここで注目したいのは1円と10円の兌換性である。兌換性というと金や銀などの貴金属で不換紙幣を裏付けることを一般に意味するのだが銅やアルミで裏付けることもまた兌換性だ。

実際にアフリカにおいてマニラと呼ばれる銅貨が使用されていた。ところが欧州人にとり銅貨製造費用は極めて安い。つまりアフリカが銅本位制を使用していたために一方的に奴隷貿易の対象にされたというのが私の理解である。

参考

http://en.wikipedia.org/wiki/Manillas

Manillas are penannular armlets, mostly in bronze or copper, very rarely gold, which served as a form of money or barter coinage and to a degree, ornamentation, amongst certain West African peoples (Aro Confederacy, Guinea Coast, Gold Coast, Calabar and other parts of Nigeria, etc.).[1] This form of African currency also became known as "slave trade money" after the Europeans started using them to acquire slaves for the slave trade into the Americas (as well as England prior to 1807).[2]

ここで自分の資産を全て10円玉で保有したとする。もし日本円が無価値になっても銅としての産業用価値はある。日本円が健全であるなら、資産に何ら傷は生まれない。ただし硬貨を溶かすことは日本の法律で禁止されている。

つ まり10円玉は実は「兌換紙幣」なのだ。IMFは加盟国が自国通貨を何らかの貴金属で裏付けることを禁止している。これは昔、南アフリカが自国通貨を金で 裏付けようとしたからだと私は理解している。もし金で裏付けられた通貨が現れるとアメリカ・ドルより上に位置する。これを嫌ったIMFにより兌換紙幣の発 行は禁止された。だが、IMFは貴金属でない唯の金属で裏付けられた「紙幣」の発行は禁じていない。そして日本の10円玉がある。

私は別に10円玉を買い占めろと勧めている訳ではない。むしろ、10円や1円のような製造単価の高い補助通貨は単価の安い補助紙幣に切り替えるべきだと主張しているのだ。

コンゴ、ブラジル、アメリカ、どこでもコインはほとんど見ることがなかった。そうした国々が紙幣だけで運営できるのに日本がコインを必要とする理由が無い。

さ らに考えを進めれば、500円硬貨を500円補助紙幣に代えたとする。硬貨の発行権は日本政府にあるので500円紙幣は政府紙幣となる。もし500円紙幣 の使い勝手が良いなら、市場で大きく流通するだろう。それはベース・マネー、マネー・サプライの増加である。つまり日銀ではなく政府が通貨流通量を制御で きる。

ここでの問題は500円紙幣の使い勝手の良さだけである。私は現在、3000円の支払いを500円硬貨6枚で行っていない。それは500円硬貨の使い勝手が悪いからだ。もし500円紙幣の使い勝手が良いなら1000円日銀券を駆逐するだろう。

ここでの使い勝手は主に500円紙幣のサイズを考えている。小さくするのだ。簡単に10枚をたばねることができるようにするのだ。

これまで誰も通貨の使い勝手の良さの観点からマネー・サプライの増加を考えなかったのは不思議な話だ(あるいは私が知らないだけ)。


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