ゆうちょを国有化するとどうなるのか?
2011.12.27

引用

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%B5%E6%94%BF%E8%A7%A3%E6%95%A3

郵政解散(ゆうせいかいさん)とは2005年8月8日の衆議院解散の俗称である。

引用終わり

正直な話をすると私はこの時、自民党に投票した。従って小泉純一郎氏を支持した。

何故、私は支持したか?特定郵便局長の世襲制度とその政治的影響力という「古い体質」を嫌ったからだ。この点において私は今でも後悔していない。だが旧郵政省には郵貯という金融機関としての側面があった。この文章は郵貯、現在はゆうちょ銀行の役割について考えるものだ。

日本はバブル崩壊後、多額の国債を発行した。ここでの最大の引き受けては郵貯だった。そして現時点でも日本国債の最大保有者はゆうちょ銀行である。

引用

http://rh-guide.com/saiken/kokusai_hiritu.html

日本の国債残高は2010年3月末時点で771兆円、それ以外にも借入金や国庫短期証券などを合わせた「国の借金総額」は973兆円にものぼります。これは日本国のGDPの約2倍にものぼり、対GDP比の借金比率は先進国でダントツ最悪です。

中略

し かし同時に、保有主体の偏りがいびつだとも見て取れます。例えば旧郵便局(ゆうちょ銀行とかんぽ生命)が国債全体の1/3を保有しています。また公的年金 (国民年金や厚生年金を運用するGPIF(政府年金投資ファンド))などを合わせると、実際には国債の半分近くが国営の金融機関が保有していることになり ます。

ゆうちょ銀行では総資産の4分の3が、またGPIFの年金運用では3分の2が、日本国債で運用されています。つまり、これら半国営 の金融機関に、どれだけ低金利でも従順に購入を続けさせられることこそ、日本の借金が幾ら膨らんでも大丈夫だった理由です(※関連ページ;国の借金増加が 厚生年金を更に悪化させる)。逆に言えば、年金の運用利回りが低すぎて破綻寸前でも、高い利回りが見込める株式や海外資産への投資などが増えないのは、そ ちらに運用資金を回せば国債の消化に支障をきたすからです。

引用終わり

郵便事業の民営化は無問題だと今でも私は考える。問題は郵政省が実質的に金融機関を兼務していたことだ。この問題も郵政選挙で小泉が圧勝したことで解消した。つまり民営化した。

私がここで提案しているのは「ゆうちょ銀行だけ、もう一度国有化したらどうだろう?」という点である。

まず日本国債とは何か?政府の借金である。この点に間違いはない。一方で政府には独占的通貨発行権があるので、日本の債務が円建てであるかぎり債務不履行はおきない。インフレ率だけを考えていれば良い。

こ こで、ゆうちょ銀行を再度、国有化した場合を考えてみよう。そうすると現在の国債発行残高の30%以上をしめる金融主体を政府が保有することになる。政府 の債務を保有する金融機関を政府が保有するのだから、打ち消し会う。従って、日本の政府債務対GDP比率は大きく向上し、世界最高の格付けとなるだろう。 必要なら、ゆうちょ銀行に対し利子を先払いすることで国債を全部、買い戻しても良い。

同時にそれは極端な円高をもたらし輸出産業を国外に追いやることになる。

今の日本がおかれているストーリーは従って以下のようになる:

1.必要であるなら実質的な国債発行残高をいつでも減らすことができる

2.だが国債発行残高を減らすと、日本の財政が健全化してしまい輸出産業に不利になる

3.政府は何ら決断をせず先送りをしている

4.先送りをしても長期金利上昇などの兆候が無いので無問題と思われる

上記論点を考える時、総合的な結論は1つしかない。日本には財政問題は存在しない。つまり、常識を逸して健全であるという結論しか私には思いつかないのだ。

追加

ゆうちょ保有分の国債を1/4相殺したとする。ここで現金が生まれる。これを超過預金準備として日銀に預ける。日銀は、この超過預金準備に対して適切な付利を行う。

この付利が国債の利子となる。日銀がお札をすることで国債利子支払いを行うことを提案しているのだ。インフレ目標値を定めて、その達成手段の1つとして国有化されたゆうちょ銀行の支払い利息相当分、お札をすることを考えているのだ。

露骨に言ってしまえば、預かったお金にはキチンと利息がつきますが、その利息は日銀がお札をすることで、つまりインフレをおこすことで支払われますよという構造にする。

今の日本のインフレ率はほぼゼロだから、数%になるまでお札をすっても構わないということになる。運用環境が改善すれば、投資に向ければよい。現在のような不安定な状況では、安定した運用先が少ない。少ないなら中央銀行が利子相当のお金を印刷して渡しても良いだろう。

ややこしい話だ・・・・